good day ＊season3 (ページ15)

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何気ない出逢いをページ15

「北海道～」

「いえー！！」

今年のはじめに雪で帰省できなかったから、宣言通りにツアーの合間にお休みを取りまして。ツアーの三日前からの前乗り。

「テンション高すぎか」

「たかくん人のこといえないでしょ」

なんて、空港到着から既にテンションMAXな私たち。

「はやいとこタクつかまえちゃおう」

「はーい！」

タクシーを拾って、地元まで向かう。あ、そういえば、と思い出したことを口にする。

「そういえばね、お兄ちゃんがたかくんに会いたがってたよ」

「え、あれ以来会ってねぇわ。久々に顔見たいかも」

「じゃ、楽屋呼んどくね」

「え、来んの？」

「そう～」

タイミングを合わせてきたのか、偶然なのかお兄ちゃんの帰省の時期とも被っている。ツアー来る？と聞けばもうチケット持ってると返されて。席はアリーナとしか教えて貰ってないけど。

「お嫁さんとチケットとったらしい」

「それどっから見られてんのか分かんねぇな(笑)」

「ほんとー」

なんて言ってれば、タクシーの運転手のおじさんから「やっぱり、仲良いんですね」って声がかかる。たかくんと顔を見合わせて、パチくり。

「違ったら失礼極まりないのですが……ＡＡＡの西島さんと宮津さん…ですよね？」

一拍置いて二人で笑う。

「ＡＡＡのことご存知ですか？」

「娘が一番なんですが、実は家族でお二人の大ファンでして」

「わ、ありがとうございます」

そうミラー越しにはにかむ笑顔。高校生の娘がいるという運転手さん。

「娘が誕生日に北海道に来るってとても喜んでました」

「え、誕生日なんですか！？」

「はい、17になりますね」

「娘さん、ライブには？」

「もちろん、家族で行きますよ」

こんな偶然ってすごいなって。たかくんと笑い合う。そして目的地についてお金を払い、トランクからスーツケースを降ろしてもらう。

「あの、これからも応援しています。ライブも楽しみにしています」

「ありがとうございます！！それと、これ…」

運転手さんに手渡したのは手帳のメモ欄の１枚。そこには即興で書いたたかくんと私のサインと、おめでとうのメッセージ。

「娘さんのお名前教えてください。こんなので申し訳ないんですが…」

「ライブ当日の朝にでも渡してあげてください」

そうして、運転手さんと三人で笑顔で別れる。
こういう、何気ない出逢いを大切にしたいなって思う。娘さん喜んでくれるといいな。