good day ＊season3 (ページ11)

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蓋を閉めた想い Shinjiro side ページ11

「真ちゃんごめん！お待たせ！」

今日はツアー前の最後のオフ。みんなゆっくり過ごしたりしとるんやろうけど俺らは巷で噂のパンケーキショップへ行くことに。コンコンって、車の窓を叩く葵郁に乗ってや～と合図をする。

「ツアー前だけど、ほんと良かったの？」

「俺も行きたかったからええで」

葵郁から誘われて、ちょうどずっと行きたかったところだったから即答で行くと答えた。

「２人で出かけるの久々やね」

「いつもたかくんが俺も！ってね(笑)」

大体２人で出掛けようかとするとにっしーが入ってくるから、２人だけは本当に久々で。結構テンション上がってる俺。

「わ、オシャレ！」

「噂通りやな」

車を走らせて少し。着いたお店は噂通りのおしゃれで可愛い外観。ほんと、女子が好きそうというか。予約もしていた為、スムーズに入れてもらうことができた。

「葵郁何にする？」

「迷ってる～これとこれで。真ちゃんは？」

「俺はなんでもええから、葵郁迷ってるの２つたのんで分けよ」

「え！いいの！？ありがとう！」

なんて、な。パって花が咲いたような笑顔が見れるなら、こんなことでかっこつけるのだって何てことない。パンケーキが運ばれてきて、２人でかわいい～！ってテンションがあがる。

「ふふ、真ちゃん女子だね」

「え？」

「ほんと意外。甘党なんてね」

「変？」

「んんー私としては真ちゃんが甘党で嬉しいよ」

そんな一言に一喜一憂する俺はほんとに女子かって突っ込みたくなるけど。葵郁が笑顔で居てくれるならそれでいい。パンケーキはかわいい見た目通りに美味しくてパクパクと２あっという間に完食。

「真ちゃん連れてきてくれてありがと！」

「ええで、また行こや」

元々今日は早めの解散って言ってたけど、まだ一緒に居たいなんて思うてしまって。

「なぁ、ちょっとドライブせぇへん？」

「んー運転するの真ちゃんだから真ちゃんに任せる」

出来ることならば時間を止めたいとまでも。

「あーあかんわ」

「ん？どうしたの？」

ああ、俺やっぱり無理やな。

「俺もちょっと本気だそかな」

ずっと、葵郁にはにっしーが。にっしーには葵郁が。なんて思ってたから俺の入る隙間なんてないんやと思ってた。けど、こうして２人で居ると蓋を閉めたはずのものが開いてしまう。葵郁の隣にありたいなんて、そう思う自分が居る。

:

ライバル出現の予感です。