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【your side】

「ねえAさん」
『ちょっと待って』

 色々とツッコミたい。私は頬杖をついていた腕を下ろしてまじまじと真っ黒な垂れ目を見つめた。

『……私、名前で呼んでなんて言ったっけ?』
「え、言ってないけど。……だってAさんは名前呼びなのにこっちは苗字って、なんか釣り合わなくないですか?」

 意外に早い再会だった。早稲田の現会長の子が東大の方に電話をしたら、abcが終わったからみんなが作った対策問題なら余るほどある、と言われたのだ。対策問題とはいえ実際には大会で出題されていない問題も多いだろう。そこで一週間後に、こうして開催が決まったのである。

「Aさんって一個年上なんですね〜。知らなかったら呼び捨てするとこだった」
『……え、私そんなに幼く見える?』

 実年齢より上に見られることはあっても、下に見られることはほとんどない。目が若干吊り上がっているせいで威圧的な印象を受けやすいからだろうか。私の問いかけに問は、だって人って見かけによらないじゃないですか、という一言で答えた。

『普通は年齢がわからなかったら敬語使うもんじゃないの』
「んー、僕あんまり敬語使わないんですよね。仲良くなったらすぐやめちゃう」

 まあ言ちゃんはそうでもないけど、と問は少し後ろを振り返った。言は東大のクイ研の子達と話している。よく見れば、東大王で見たことのあるような顔がちらほら混じっていた。その後ろには早稲田の子達。何問か押して、休憩に入ればなんとなくみんなは同じ大学の子と集まって話し始める。輪に入れない上級生の私と、同じ大学の人がいない問。私たちが隣に座ったのは半ば必然でもあったのかもしれない。

『……まあいいや。それで、どうしたの?』
「え?」
『さっき。名前呼ばれたからなんか話があるんだと思って』

 今日はまっすぐな前髪が下りている。その長めの黒色から覗く目が僅かに動いた。

「……や、さっきの押し凄かったなぁって。Aさんってほんとにクイズ強いですよね」

 キラキラと輝く瞳は純粋な光に満ちていて、本心からの言葉だと言うことがよくわかる。それだけに何を返していいのかわからなくなって、私は一瞬口籠った。

『別に……問はabcで優勝したし、私より強いじゃん』

 ……あ。

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鳩麦こおり(プロフ) - 葉華さん» わわ、ほんとですか...! 嬉しすぎるお言葉...! ありがとうございます🥰🥰 (1月23日 17時) (レス) id: e6ac31a148 (このIDを非表示/違反報告)
葉華(プロフ) - 面白くて、続きを読む手が止まりませんでした…!素敵な作品をありがとうございます! (1月19日 4時) (レス) id: 799c11267c (このIDを非表示/違反報告)
鳩麦こおり(プロフ) - ジルさん» ありがとうございます〜! ゆるゆる更新ですが完結させられるように頑張りたいと思います💪 (12月31日 22時) (レス) id: e6ac31a148 (このIDを非表示/違反報告)
ジル - 更新頑張ってください! (12月31日 21時) (レス) @page5 id: 01b486c023 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鳩麦こおり | 作成日時:2023年12月30日 23時

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