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手を、握られた。頬まで熱くなる感覚が神経を通る。問の手、あったかいな。なんて、どうでもいいことが頭に浮かんだ。
「……伊沢さんと会えたの、すごい……嬉しそうで」
『……え?』
「なんか……さ……」
語尾が濁る。思わず口をついて出た驚きは、白い壁の中に消えていった。
「……Aさんって、伊沢さんのこと好きなの」
垣間見える耳朶は、少しだけ赤くて。
思わずその手を握り返した。
『……それって、嫉妬?』
「っ、ちがっ」
ばっと振り向かれる。上目遣いでこちらを見上げる顔は真っ赤だった。
「違う、けど……」
手は、繋いだままだった。俯いてしまった問が可愛くて、私はしゃがみ込んでその顔を覗き込む。
「……っAさ、」
『安心して。好きと憧れは違うから』
その真っ黒な瞳を見つめて言うと、問はえ、と言葉を詰まらせた。
「それ……どういう意味」
『言葉通りの意味だけど』
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鳩麦こおり(プロフ) - 葉華さん» わわ、ほんとですか...! 嬉しすぎるお言葉...! ありがとうございます🥰🥰 (1月23日 17時) (レス) id: e6ac31a148 (このIDを非表示/違反報告)
葉華(プロフ) - 面白くて、続きを読む手が止まりませんでした…!素敵な作品をありがとうございます! (1月19日 4時) (レス) id: 799c11267c (このIDを非表示/違反報告)
鳩麦こおり(プロフ) - ジルさん» ありがとうございます〜! ゆるゆる更新ですが完結させられるように頑張りたいと思います💪 (12月31日 22時) (レス) id: e6ac31a148 (このIDを非表示/違反報告)
ジル - 更新頑張ってください! (12月31日 21時) (レス) @page5 id: 01b486c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鳩麦こおり | 作成日時:2023年12月30日 23時