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「じゃあ、文量は大体これくらいで。……編集部のメールアドレス送っときますね。ここに送ってもらったら校正いれてお返しするんで、直しとかお願いします」

 概要をぱぱっとまとめて締切まで決めてしまうまで、伊沢さんは本当に丁寧に、でも手早く済ませてくれた。聞けばこの後テレビの収録があるという。お忙しい中ありがとうございます、と頭を下げると、いいのいいの、と爽やかに微笑まれた。

「初めてのライターさんには絶対対面でって決めてるの。それにAさんは最初が特集だし……たくさん注目集めると思うから」

 期待してるよ、と言われて、急に喉に言葉がせり上がった。あの、と口から零れる。彼にとっては聴き慣れているであろう、でも私がずっと、ずっと伝えたかった言葉。それが自然と口をついて出た。

『私……伊沢さんに憧れてクイズを始めたんです。伊沢さんのおかげでここまで来られたし、本当にクイズを好きになれて……だから、あの』

 本当に、ありがとうございます。深く頭を下げる。伊沢さんがいなかったら、私は今ここにいないだろう。彼は本当に、私の人生を変えてくれたのだ。

「──こちらこそ」

 彼の、少し低めの鼻にかかったような声が耳を掠めて、私は顔を上げた。

「Aさんがクイズを好きになるきっかけになれて、よかった。俺はクイズが好きだけど、同じようにクイズに親しんでくれる人の存在ってほんとに嬉しいんだよ。……ましてや俺きっかけなんて」

 だから、こちらこそありがとう。くしゃっと笑いかけられて、私は今度こそ息が出来なくなってしまった。──伊沢さんに笑いかけられて、あろうことかお礼を言われている。夢かな、と一瞬思った。

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鳩麦こおり(プロフ) - 葉華さん» わわ、ほんとですか...! 嬉しすぎるお言葉...! ありがとうございます🥰🥰 (1月23日 17時) (レス) id: e6ac31a148 (このIDを非表示/違反報告)
葉華(プロフ) - 面白くて、続きを読む手が止まりませんでした…!素敵な作品をありがとうございます! (1月19日 4時) (レス) id: 799c11267c (このIDを非表示/違反報告)
鳩麦こおり(プロフ) - ジルさん» ありがとうございます〜! ゆるゆる更新ですが完結させられるように頑張りたいと思います💪 (12月31日 22時) (レス) id: e6ac31a148 (このIDを非表示/違反報告)
ジル - 更新頑張ってください! (12月31日 21時) (レス) @page5 id: 01b486c023 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鳩麦こおり | 作成日時:2023年12月30日 23時

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