四話 ページ5
「未来ちゃん未来ちゃん」
「不愉快です!来ないで下さい!」
なんだこの生き物は。可愛すぎる。
これが呪われた血の一族?誰が言ったんだ。ただの眼鏡が似合うフワフワ系女子高生じゃないか。
とそんなやりとりを食堂で繰り広げていた。
未来ちゃんの手にはきつねうどん。私はお弁当を片手に。
「ところで未来ちゃん」
「しつこいです!」
「待って!?今度こそちゃんとした用事だから!」
「....むぅ。どうぞ....」
よかった。話を聞いてくれる気になったようだ。
秋人くんが近くにいないのを確認してから、未来ちゃんに言う。
「これ以上、秋人くんを攻撃するのはやめてほしいの」
なんで知ってるんですか、と言いたげな顔つき。ていうかむしろなんで知られてないと思ったのだろう。そんな未来ちゃんも可愛い....じゃなくて
「彼が、半妖なのは知ってるよね?」
「....はい」
「だからなの。今ここで私が言うべきことではないと思うから言わないけど、お願い。」
秋人くんは、半妖だ。とても希少な存在。
不死身の身体をもち、それでも人間の世界に溶け込んでいる。
私は彼のことが心配で、それと同時に未来ちゃんのことも心配だから、忠告をした。
「お願いね、あぁ、あと」
気が向いたら文芸部に来てね、と。
踵を返し、食堂から出ていこうとしたとき、「あの、」と未来ちゃんから声をかけられた。
「い、一緒に....食べませんか?」
恥ずかしそうに俯きながら、それでもしっかりとした声で。
「あー...ごめんね、約束してる人がいて。明日一緒に食べよう?」
そう言うと未来ちゃんはパアッと明るい顔をして「はい!」と言った。ぺこりと頭を下げると食堂の奥の方に消えていってしまった。
可愛いなぁ、やっぱり文芸部にほしい。
「....さて、」
屋上にいきますか。
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レナミン♪(プロフ) - 続きが気になります!更新がんばってください! (2013年11月13日 1時) (レス) id: 116d01a385 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千景 | 作成日時:2013年11月12日 19時