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仕事に追われる日々。
新しいプロジェクトを任され、手探りで最善策を探す。
「新卒で責任者なんて、だいぶ大きなの任されたねー!さすが!」
「あ、先輩。ありがとうございます。一応私より上は居るんですけどね。」
私の肩に手を置いて、にこにこ笑顔で話しかけてきた。
私より上というのは、先輩の事なんだけどね。
先輩は、課でも一目置かれるほどの美人で、仕事も出来る。
非の打ち所がないような、まさに理想の女性。
「今日さ、仕事終わりにカフェ寄らない?駅前のところ!リニューアルしたらしいよ!」
「本当ですか?是非ご一緒したいです!」
こうして後輩のことも気にかけてくれたりする。
やっぱり、凄く良い人。
こんな人にもなれたら、棚澤さんの気も引けるのかなあ、
なんて。
そんなの無理だけど。
時折思い出しては、集中しないと、と頬を叩き。
けど、気付けば頭の中はあの人で沢山だから。
どうにかこの気持ち、整理出来たらいいな。
「先輩、行きましょうか。」
「うん、行こ行こー!」
私とほぼ同じ位置にある肩を並べて、会社を後にした。
2人で何処かに出かけるというのは、珍しい事ではない。
寧ろ、よくある事。
カフェに入れば、なんとも大人っぽい匂いが鼻につんと来た。
苦いようで、甘い。
甘いようで、苦い。
まるで恋みたいな、そんな匂いがカフェに広がっていた。
2人で世間話をしながら珈琲を口に流し込んだ。
ちりん、とお店のドアが開く音が鳴った時。
「あっ。」
入ってきた男の人と目が合った。
すぐに誰か分かった。棚澤さん。
ふわっとした髪の毛が、甘いミルクティーに見える。
そして、隣に立っている身長の高い男の人。
「ねえ、あれってはじめしゃちょーじゃない?」
変装もせずに、こんな所に。
けど、はじめしゃちょーさんには目もくれず。
棚澤さんに視線は釘付け。
棚澤さんも、こちらに気付いたみたいで。
驚いたようだったけど、少し口角をあげて、微笑んでくれた。
「先輩、あの…」
「ん?」
先輩に言うことにした。
声に恋したのは、棚澤さんだと。
「ええ!?嘘!たなっちに!?」
たなっち…一瞬誰か分からなかったけど、
棚澤さんの活動名だった事を思い出した。
先輩も確か、はじめしゃちょーさんが好きだった。
そして、はじめさんと棚澤さんは、
通路を挟んで私たちの隣に座った。
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So-mei.(プロフ) - Daaaさん» 返信遅れてすいません!私も…書きながらたなっちとの子ども欲しいなぁと思いました(( ありがとうございますー!褒められて伸びるタイプなので嬉しいです笑 また御縁がありましたらよろしくお願い致します! (2020年8月29日 18時) (レス) id: f49ce891b4 (このIDを非表示/違反報告)
Daaa(プロフ) - 遅くなりましたがご完結おめでとうございました!!最後たなっちくんとのお子さん...想像....妄想するだけでドキがムネムネ...(こら)短編と違って長編は本当に難しいですよね、その中で素敵な作品を作り上げたSo-mei.さん、とても素敵です。お疲れ様でした(^^) (2020年8月26日 6時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)
So-mei. - Daaaさん» えっ、寧ろこんなのを勉強して大丈夫ですか?こちらこそ勉強させて頂いてます((素敵な表現、もしかしたらお借りするかもしれませんが…その様なことが無い様に気を付けます!こちらこそよろしくお願い致します^^ (2020年7月6日 20時) (レス) id: 5021305aba (このIDを非表示/違反報告)
Daaa(プロフ) - So-mei.さん» とても読みやすくて私も凄く勉強になりました...(勝手に勉強させて頂いて申し訳ない...)こちらこそ本当に感謝しかございません、今後とも宜しくお願い致します(^^) (2020年7月5日 19時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)
So-mei. - Daaaさん» ええええ!?あっ、ちょっと待って下さいね?心の準備が…。え、え?ヤバ…。あの、こちらこそ、ありがとうございます。なんか、こんな妄想に塗れた汚い作品読んでもらってありがとうございます…。ブラマジも見てくださってるんですね…!本当感謝。なんかすいません… (2020年7月5日 14時) (レス) id: 5021305aba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:So-mei. | 作成日時:2020年6月26日 18時