聴けなくなる、その日まで。

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釣り合わないだとか、何だとか、


人に恋愛感情を抱いていると、凄く気にしてしまう。


けど、そんなのは関係ないんだって、今気付いた。


あくまで両片思いだったら、の話にはなってしまうかもしれない。


それでも、良い。


色んなこと気にして、変に空回りして、


それで折角実った恋をぐしゃぐしゃにするなんて、一番やってはいけない事だ。


片思いで終わって失恋しても良いから、


最終的には、いい経験だったな、って思えるような恋にしないといけない。


なのに、今棚澤さんは、まさにそれをしようとした。


「釣り合わないだとか、気にしないでください。私だって、棚澤さんの横を歩いて良いのか不安ですよ。」


「けど、お互い好きなら、なんだって良いじゃないですか。結局最後に幸せかどうかを決めるのは自分たちなんですから。」


涙ながらに訴えたからか、凄く心に響いた様子。


ちょっと言い過ぎちゃったかな、と少し反省。


「棚澤さん。私は、棚澤さんのこと、好きですよ。」


駅の近くの公園のベンチに座って、ゆっくり話をした。


もうすぐ花が開く恋を、最後まで頑張るために。


「棚澤さんは、どう、なんですか。」


明るい満月の下、二人っきりの公園。


「僕で、後悔しない？」


「する訳ないです。」


そう言えばにっこり笑う棚澤さん、いや龍昇くん。


「じゃ、付き合って欲しいです。A。」


こくりと頷いて、顔を見合わせた。


「好きですよ、龍昇くん。」


「好きだよ、A。」


静かな公園に、静かに響いた愛言葉。


これからも絶対に消える事はない。


それを誓うように、


私たちはゆっくり、キスをした。









「消えない愛言葉」編、完。



本編はまだ続きます！ぜひ最後まで！

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