畑で愛の栽培続行中

[tntm] 快晴 ページ2

たなっち視点


tn「……晴れすぎじゃない？」


編集の休憩ついでにベランダに出てみると
テツヤのよく言う
“ 雲ひとつない快晴 ” が
空には広がっていた。


数十分前までは雨音が聞こえていた気がしたが、気のせいだったのだろうか。


降り注ぐ太陽の光を全身で浴び
暖かな空気を鼻で吸う。


tn「…気持ちいい」


安心する。

大好きなあの人の匂いに似てるから。

あぁ、でもまだ少しだけ
雨の香りも残っている。




tm「何がきもちいーん？」


呑気に “ 大好きなあの人 ” のことを 考えていたら
隣から柔らかい声が飛んできた。


tn「…とま坊、え、…」


バクバクとなる心臓を抑えつつも
表情や声色には戸惑いが現れてしまう。


tm「…ん？へ…？な、なに？」


何かおかしい？、と
不安そうに此方を見てくる。


tn「いや、何でも
ビックリしただけ」


俺は顔を反らした。


tm「………


どーせ、俺のことでも考えてたんでしょ」


そう冗談混じりの声が聞こえた。


tn「…か、考えてない」


結局、冗談だと分かっていても、好きな人の前では素直になってしまう。

分かりやすすぎる反応に
彼はどう思っただろうか。


tm「絶対図星じゃん」


彼は幸せそうに笑っていた。

雲ひとつない
快晴のような、そんな笑顔。


tn「……可愛いかよ」


そう呟きつつ、視線を下ろすと
雨も降っていないのに
傘を指して歩く二人が見えた。


tm「ん、はじめさんと…だいちくんだ



……幸せそうだなぁ」


そんな羨ましそうな声が漏れている彼に、きゅ、と胸が熱くなった。


tn「……



俺らも幸せでしょ」


俺がそう言うと
驚いたように此方を見た。


tm「………そうかもね」








青い、青い空は果てしなく続いている。


晴れた清らかな心もまた。


二人の唇が重なり、
俺は暖かい風に包まれ
彼は広く青い空に包まれただろう。




静かで壮大な快晴の空は


俺たちを包み、見守ってくれている。

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