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ゆゆ
『あ、はじめくん……』
やべ、なんか邪魔したかも……?
「……ゆゆちゃん。
雨、強いね。」
ゆゆ
『ほんとにね、
弱まったら帰ろうと思ったんだけど(笑)
こんなじゃ、まだまだだね。』
「……なんで雨、見てたの?」
素直に疑問を問いかけてみた。
ゆゆ
『なんか……
雨って綺麗なの。
怖いし、嫌いなんだけど
" 綺麗 " っていう理由だけで見ちゃうの。
……不思議でしょ?』
窓の外を見ながらそう言うゆゆちゃんが綺麗で
かわいくて、壊れてしまいそうだった。
ゆゆ
『ひゃっ……!』
無意識だった。
そんなゆゆちゃんを見て抱きしめてしまったのは。
「なんでそんなに、悲しい顔するの?
雨が嫌いなら見なかったらいいじゃん。」
ゆゆ
『……現実から目を背けちゃだめ。
苦手なことも何かのきっかけで好きになれるかも。』
すこしだけ肩が震えていた。
「……無理しなくていいんだよ?」
ゆゆ
『……ん、うう、ヒック』
抱きしめている小さな背中にはなにかたくさんのものをひとりで背負っているのだろう。
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ゆずれもん - トマトクンの嫉妬がみたいです (2019年7月29日 15時) (レス) id: cb597fc79d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2019年6月29日 12時