sunshine -サンシャイン- (ページ47)

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はじめんside

てつやと病院に着く頃には
Aはもう既に疲れきってきた

看護師さんいわく
俺が寝たと思って電話切ったあとも
夜中何度も起きてしまったのだとか。

だから実際浅い眠りしか取れておらず
しかも昨日固定物のご飯を
一切口にしてないらしい。

それでも俺らを心配させないようにと
いつもと変わらないあの笑顔を向けて
話している。

そして約束の時間。
10時になった。
きっとHAPにはもうみんな集まってて
俺や、てつやと
同じ気持ちなのだと思う。

看「それじゃあ、ゆっくり移動しますね
付き添いの方は、手術室手前まででお願いします」

「「はい」」

ゆっくりついて行く。
Aの顔を見ながら。
ゆっくり。

すると俺の服の袖を

キュッ

と掴んできた。

は「どうした？」

『………』

その表情から
怯えてることはわかる。
寝れないほど
不安を抱えているのもわかる。

凸「みんな待ってるからね！」

その言葉に嬉しそうに微笑む。
そして袖口をもう一度強く握り

『…またあとでね…っ』

と、今にも泣きそうな
震えそうな声で言って
手を離した

は「うん。…またあとでね！」

俺とてつやは、頑張って
って言わない約束をしていた。
もう既に頑張っているから
それ以上追い詰めないように
前向きな言葉で応援しようって

手術室に入る前
Aは腕を上にあげてピースしていた。

そして静かにドアが閉められた。

___

________

どれくらい時間が経っただろうか

いつもスマホ依存症レベルでスマホ見てる俺が
それをする余裕すらも無い。

手術室の前のイスで
ただ、あいつの帰りを待っている。

「あの……

江田さん………ですよね？」