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はじめんside
は「A」
『なーに?』
は「コメント…見る?」
一瞬からだを止める
でもすぐにいつものAに戻って
『…みるっ!』
と言って俺の隣に来る。
早く見せてって言ってるけど
多分分かってる
アンチの多さ
畑に女の子はいらない
どうせはじめん目当て
距離近すぎ
見るの辞める
スクロールすればするほど溢れるコメント
横を見るとこころなしか震えてる気がする
俯いたままで顔が見えない
は「A…?」
『えっと…あは……ごめんっ
ちょっとトイレ…』
そう言って走って下に行ったAの目には
涙が溜まっているのが見えた
やっぱり見せない方が良かったのかもしれないって
思っちゃったりもする
でも誰もが通る道だから
経験させた方がいいかもしれないって
そう思ってしまった
戻ってきたAの目は真っ赤で。
可愛い顔が台無しで。
は「ごめんね、見せて」
そう謝った
『はじめくんが謝る必要ないよ!
こうなることもわかってたし…
私が認めて貰えるように
もっと…もっと頑張るだけだよ…
だから…っ』
そういうAの目からは
大粒の涙がいくつもこぼれおちた
俺は気づくとAを抱きしめていた。
俺の腕の中で声を殺して泣くAは
まるで小さな赤ちゃんみたいだった。
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作者名:小春愛莉 | 作成日時:2020年8月23日 12時