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Chapter23 ページ23

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火曜日。

いつもの喫茶店。




慣れ親しんだマスターが、「今日は一人?」と不思議そうに聞いてきた。店内をぐるりと見渡す。お客さんはまばらで、確かに、そこに見慣れた姿は無かった。

もしかしたら居るんじゃないか、って。そんな事思ってた俺を誰か殴って欲しい。



いつもの席で、いつものメニュー表を見る。頼むものなんてメニューを見なくても決まっているのだけど、この喫茶店はたまに新メニューが追加されている事がある。例えば、ケーキとかね。ケーキはマスターの手作り。もう一通り食べているから、新作があれば直ぐ頼む事にしている。でも、今回は特に変わりはないようだった。

ベルを鳴らすと、マスターがやってくる。マスターはニコニコしながら、「レモンティーでいいかな」と言うので、当たり前のように俺も笑って頷いた。

いつもなら、直ぐマスターはカウンターに戻っていく、のだけど。何故か、暫くその場から動かないマスター。





「どうかされました?」

「...んー、そう言えば、あの子の姿、最近全く見掛けないな、と思ってね。君も、久しぶりにご来店頂いたから。前はいつも一緒に楽しそうに来てたから、何かあったのかな、って心配してたんだよ」





そう言って、少し寂しそうな顔をしてカウンターに戻っていくマスター。

....そっ、か。




あいつも、来てない、のか。






何処か心臓が締め付けられた様な感覚を覚えたけど、気付かないフリをした。









それから暫くして頼んでいたレモンティーがやってくる。

温かいレモンティーは、いつもの全く一緒で、とても美味しくて、何だか泣きそうになった。いい歳した大人が、レモンティーを飲んで泣きそうになるなんて。


...あいつが知ったら、きっと全力で笑ってくれるのだろう。




いつも向かいに座る彼女の姿はそこには無い。

それだけで、何だかとても悲しくて、寂しくて、苦しかった。





もう、本当に。


二度と、会えないのかもしれない。







レモンティーは温かくて変わらぬ優しい味だ。



ただ、目の前に座る彼女が居ないだけで、こんなにも冷たく感じる、なんて。








視界がボヤけた。




もっと、もっともっと、早くお前に伝えていたら。





そしたら、また違った道を、進めていたのだろうか。









「たな、なに泣いてんの」









泣いて、ないよ。


そう、言葉を出そうとした、のに。






前髪を掻き上げる、お前を見て、また、視界がボヤけた。


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Daaa(プロフ) - So-mei.さん» いつもいつも本当にこちらこそありがとうございます!今作こそとんでもなく意味不明感が出ていたかと思われます...次作があればもっとまともな文章書けるよう頑張ります...! (2020年8月18日 19時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)
So-mei. - お疲れ様でした…!今回もとても感動しましたし、感情移入してしまいました笑 やっぱり素敵な言葉選びというか、センスが光ってますよね…尊敬します…。素敵な作品ありがとうございました! (2020年8月18日 12時) (レス) id: 5021305aba (このIDを非表示/違反報告)
Daaa(プロフ) - ねおんさん» こちらこそありがとうございます!な、泣かせる力....そんな素晴らしい力があるかは分かりませぬが、何とか挫折せず書き終えれました...ありがとうございました! (2020年8月18日 6時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)
ねおん - また来てしもた、、。お疲れさまです、!人を泣かせる力があると知った日、、() (2020年8月17日 23時) (レス) id: 3019da5da0 (このIDを非表示/違反報告)
Daaa(プロフ) - ねおんさん» おはようございます!コメントありがとうございます!私もたなっちくん何でこんな奴のこと好きなんだよ(真顔)って感じで....何度も挫折しそうですが何とか最後まで...頑張ります! (2020年8月12日 6時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Daaa | 作成日時:2020年8月1日 9時

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