Chapter20 ページ20
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多分、その日。
最低だけど、何処か、心が救われた。
いつもの様に、Aと喫茶店でお茶。
だいちくんが畑を卒業してから、暫く経った。最初は模索するために動画を暫く休んで、そこから復活して、だいちくんの居ない畑がようやく板についてきた。まだ、だいちくんの愉快な声を求めてしまう事もある。でも、一人一人が一人一人をしっかりカバーして、また昔みたいに日常も取り入れて。心機一転、とにかく頑張るしかない。
暫くは本当に忙しかった。だから、Aと遊ぶ事がめっきり減ってしまった。ちゃんと説明してて、「たなや、みんなの頑張りどきだね。応援してる、無理しないようにね」って。笑顔で言われたのが1ヶ月前だ。
だから、今日は1ヶ月ぶり。
こんなに会わなかったのは、多分初めてだった。だから、ちょっと。ちょっとだけ、緊張していた。
「....ぶっ、何かたな緊張してない?」
「....怒るよ?」
「ごめーん」
いつも思う。こいつはエスパーか何かなのだろうか。
「久しぶりだねー。どう、新畑は」
「....まぁ、何とかぼちぼちって感じ。日常が戻ったから、その分また撮影時間が増えて忙しさ倍増だけど。その分、メンバー間のコミュニケーションが増えていい感じだよ」
「たなはきちんとみんなの事見てるもんね。それに、だいちさんも卒業されたし、はじめ先輩の事も、しっかりサポートしなきゃね」
「うん。当たり前」
だいちくんが卒業して、心配な事は畑だけじゃない。昔のはじめさんを知る人が少なくなって、その分はじめさんの精神的な部分も心配だった。
俺も、最初からはじめさんの事を知っている訳ではない。でも、メンバーの中では一番知ってる。だから、少しでもはじめさんを支えれる人間で在りたい。
...何か気持ち悪いけど、そうなのです。
「Aは、どうだったの最近」
「んー、仕事はぼちぼち、因みに昇進したので給料超アップ」
「シレッと自慢するよね昔から」
「あはは、自慢なのだから仕方ないかな。....後はねー、そうだねぇ」
いつもの様に、ブラック珈琲を飲みながら。
いつもの様に、前髪を掻き上げる。
その瞳が少し、寂しそうに見えて。
どうしたの、そう、言おうと思った。
でも、先に口を開いたのは、Aで。
「私、やっぱりあの人が好きだからさ。だから、覚悟した。もう、会うのは次で最後にする、」
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Daaa(プロフ) - So-mei.さん» いつもいつも本当にこちらこそありがとうございます!今作こそとんでもなく意味不明感が出ていたかと思われます...次作があればもっとまともな文章書けるよう頑張ります...! (2020年8月18日 19時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)
So-mei. - お疲れ様でした…!今回もとても感動しましたし、感情移入してしまいました笑 やっぱり素敵な言葉選びというか、センスが光ってますよね…尊敬します…。素敵な作品ありがとうございました! (2020年8月18日 12時) (レス) id: 5021305aba (このIDを非表示/違反報告)
Daaa(プロフ) - ねおんさん» こちらこそありがとうございます!な、泣かせる力....そんな素晴らしい力があるかは分かりませぬが、何とか挫折せず書き終えれました...ありがとうございました! (2020年8月18日 6時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)
ねおん - また来てしもた、、。お疲れさまです、!人を泣かせる力があると知った日、、() (2020年8月17日 23時) (レス) id: 3019da5da0 (このIDを非表示/違反報告)
Daaa(プロフ) - ねおんさん» おはようございます!コメントありがとうございます!私もたなっちくん何でこんな奴のこと好きなんだよ(真顔)って感じで....何度も挫折しそうですが何とか最後まで...頑張ります! (2020年8月12日 6時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Daaa | 作成日時:2020年8月1日 9時