Chapter３０ ページ30
.
先ず、だいちくんに報告した。
だいちくんは、ずっと、泣いていた。「良かったね、本当に良かったね」って。こんな、俺達のために、泣いてくれた。
きっと、だいちくんは彼女と関わりがあったから。だから、他の人が考える以上に、だいちくんも辛いはずだった。それでも、「幸せになれよ」って、泣きながら笑顔で言うもんだから、俺もたまらず、またボタボタと泣いた。
その後、だいちくんと話し合って、畑のメンバーにも話す事に決めた。
隠し事は、したくなかった。
今日は火曜日だけど、わざわざメンバーみんなに集まってもらった。
何処か、何を話すか分かったたなっちが、最初からずっと、眉間にシワを寄せていた。だいちくんから聞いたけど、たなっちはやっぱり、誰よりも仲間思いで優しい子だから。何となく、俺の状況を、分かっていたらしい。
全てを話し終えると、テツヤが、1番最初に、泣き始めた。「...そんな、苦しんでたんすか、はじめさんも、彼女さんも、」って。言葉を詰まらせながら。
それを見た、ともたかが、滲む涙を必死に堪えていた。でも、涙が追い付かなくて、ボロボロと、涙を流した。
「...はじめくん、俺達にとって、はじめくんはボスで、社長で、誰よりも憧れの人で、それで、大切な人、なんです。だから、...はじめくんが、そんな、しんどくて辛い道を選ぶ事、正直、賛成出来ない、と思う。.....でも、そう決めたのなら、はじめくんがその人生を選ぶのなら、それで、後悔しないのなら。俺達は何も言う権利は無いし、はじめくんを、応援します。見守ります」
ようへいくんは、時々言葉を詰まらせて、でも、真っ直ぐな言葉で、そう伝えてくれた。
やっぱり、誰よりも考えが大人で。そんな、真っ直ぐな言葉に、俺も涙が溢れた。
「....はじめさん、きっと、考える以上に、辛いこと、っすよ。どんな未来になるか、そりゃ、分かんないけど。...俺も、応援します。でも、崩れていくはじめさんは、もう、見たくない」
どんな時だって、たなっちは俺の事を励ましてくれて、応援してくれた。活動を休止した時だって、酷く落ち込んだ時だって、たなっちはいつも、そんな俺を支えてくれた。
「....みんな、ありがとう。でも、これで諦めたら、それこそ、後悔する。俺、Aが好きです。だから、諦めない。諦めないよ、」
未来は残酷でも。
少しでも、明るい未来を。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にんじん - 号泣してしまいました。素敵なお話をありがとうございました。大好きです。 (2020年12月4日 2時) (
レス) id: 979b35d4d9 (このIDを非表示/違反報告)
Daaa(プロフ) - サメ子さん» コメントありがとうございます！！そう言って頂けて....とんでもなく...嬉しいです...ありがとうございました！！！ (2020年10月15日 16時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)
サメ子 - お疲れ様でした！凄く良いお話でした……(；A；) (2020年10月14日 18時) (レス) id: 03b42f91b7 (このIDを非表示/違反報告)
Daaa(プロフ) - 天夢香さん» コメントありがとうございます！おおお、ド、ドハマリなんて...光栄ですありがとうございます！次回も何か書けたらいいなぁ(遠い目 (2020年7月26日 18時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)
天夢香(プロフ) - お疲れ様でした。3話読んだ瞬間どハマりしてしまいました。とても面白かったです！次回の作品も楽しみにしています…♪ (2020年7月26日 17時) (レス) id: 6c52710f91 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Daaa | 作成日時：2020年7月5日 9時
