Chapter２８ ページ28
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『...はじ、め...さん、』
久しぶりに聞く、彼女の声は。
とても、弱々しかった。
最後に彼女と会った日から、また更に、痩せたように思えた。
もう既に涙でぐちゃぐちゃだった顔が、また更に、涙が込み上げて来て、視界が霞む。
その場から、動けなくて。
だって、そこに、彼女が居ると言う事、は。
そう言う、事で。
『.....中野さん、内緒って、言った、のに、なぁ.....っ、』
彼女は、言葉を詰まらせて、そして、ぽたり、と、涙が溢れた。
「....A、ちゃん、」
足がようやく動いて。
彼女の元に歩み寄って、跪いて、点滴のチューブが繋がっていた左手を優しく握った。
温かい、とても。
彼女は、Aちゃんは、��此処��に居る。
「....俺、Aちゃんが好きです。大好き、です。ずっと、この先ずっと、一緒に居たい、居させて欲しい。....いや、Aちゃんが嫌だって言っても、居る。絶対、離れない」
神様は、残酷だ。
何で、どうして、彼女なんだろう。
何で、彼女を、選んだんだろう。
何で、俺じゃ、ないんだろう。
悔しくて、悔しくて、悔しくて。
代われるものなら、代わりたい。もう、苦しんで欲しくない。だって、もう、沢山、沢山。...沢山、苦しんで来たのに。これ以上、彼女を苦しめないで。
だから、余計に悔しくて。
何にも出来ない自分が、悔しくて。
彼女の人生が閉ざされてしまう事が、悔しくて、虚しくて、辛くて、悲しくて。
一緒に、居たい。
君が、嫌だと、言っても。
大好きな君と、ずっと、一緒に居たい。
「....自分勝手な俺でごめん。でも......、��A��の人生を、一緒に、背負わせて下さい」
あの日、あの場所で、彼女に出会ったのは、きっと偶然なんかじゃ、なかった。
きっと最初から、彼女と出会う事は決まってて、きっと、こんなにも好きになる事も、決まってた。
そして、この先ずっと、永遠に、彼女と一緒に人生を歩みたいと思うこの意思も、最初からきっと、全部、決まってたんだ。
『......ずるい、です。....覚悟、したのに。もう、これ以上、迷惑掛けられないって....会わないって.....はじめさんをこれ以上、好きにならないって......』
彼女の身体を引き寄せた。
彼女も涙を流していた。
俺も、涙が止まる事は、なかった。
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にんじん - 号泣してしまいました。素敵なお話をありがとうございました。大好きです。 (2020年12月4日 2時) (
レス) id: 979b35d4d9 (このIDを非表示/違反報告)
Daaa(プロフ) - サメ子さん» コメントありがとうございます！！そう言って頂けて....とんでもなく...嬉しいです...ありがとうございました！！！ (2020年10月15日 16時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)
サメ子 - お疲れ様でした！凄く良いお話でした……(；A；) (2020年10月14日 18時) (レス) id: 03b42f91b7 (このIDを非表示/違反報告)
Daaa(プロフ) - 天夢香さん» コメントありがとうございます！おおお、ド、ドハマリなんて...光栄ですありがとうございます！次回も何か書けたらいいなぁ(遠い目 (2020年7月26日 18時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)
天夢香(プロフ) - お疲れ様でした。3話読んだ瞬間どハマりしてしまいました。とても面白かったです！次回の作品も楽しみにしています…♪ (2020年7月26日 17時) (レス) id: 6c52710f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Daaa | 作成日時：2020年7月5日 9時
