Chapter１６ ページ16
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いつもの公園に到着。時刻は20時ぐらい。遅い時間に連絡してしまったなぁ、とちょっと後悔。夜に此処まで来てもらうなんて、男として駄目だよね。
帰りはちゃんと送ろう、家は近いって言っていたけど、やっぱり夜に1人で帰すのは危ない。....でも、これまでも、送るよって言えば、律儀に断られていた。
やっぱり、俺、Aちゃんの事、何も知らないんだなぁ...
ベンチに座って待っていると、遠くからAちゃんが歩いて来るのが見えた。
Aちゃんも俺に気付いて、小走りでこちらにやってくる。
やっぱり、しっかりとマスクを付けていた。
『はじめさん、こんばんは。すみません、待たせてしまって、』
「んーん、こちらこそ急に呼び出しちゃってごめんね」
うっすらと、汗をかいているようだった。
...わざわざ走って来てくれたのかもしれない。でも、俺の事を考えて走って来てくれたんだ、と思うと、何処か、くすぐったい。
「...実は、これ、渡したくて、」
彼女に袋ごと渡す。
先程購入したばかりだから、野菜ジュースやカットフルーツが冷えていたのもあって、袋も少し冷たくなっていた。
彼女は、頭にハテナを浮かべながら、袋の中身を確認する。
『...栄養ドリンクに、野菜ジュースに、フルーツ？』
「うん、そう。Aちゃん、ずっと風邪が治んないって、言ってたから。少しでも良くなって欲しいなって思って、その....栄養取ったら、良いって、仲間が言ってたから。だから、栄養ありそうなの、選んでみました」
余計なお世話、だった、かな。
今思えば、絶対そうだよね....いきなりこんなもん買って来て、普通に引く、よね。.....うわ、今更ながら、やってしまった感満載....。
どうしよ、と1人であたふたしていると、Aちゃんはベンチに座って、袋の中から野菜ジュースを取り出した。どこかおぼつかない手で、ゆっくりストローを外して挿し込む。
そして、目を細めながら、その野菜ジュースを飲み始めた。
『....ありがとうございます、すみません、早速飲んじゃいました。....わざわざ、心配してくれて、こんな沢山の物、買って下さって....私の事、考えてくれて、本当に嬉しいです。私、人生の中でトップに3には入るくらい、とっても嬉しいです。はじめさん、本当にありがとうございます』
何処か、震えた、その声は。
静かな公園に、消えていった。
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にんじん - 号泣してしまいました。素敵なお話をありがとうございました。大好きです。 (2020年12月4日 2時) (
レス) id: 979b35d4d9 (このIDを非表示/違反報告)
Daaa(プロフ) - サメ子さん» コメントありがとうございます！！そう言って頂けて....とんでもなく...嬉しいです...ありがとうございました！！！ (2020年10月15日 16時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)
サメ子 - お疲れ様でした！凄く良いお話でした……(；A；) (2020年10月14日 18時) (レス) id: 03b42f91b7 (このIDを非表示/違反報告)
Daaa(プロフ) - 天夢香さん» コメントありがとうございます！おおお、ド、ドハマリなんて...光栄ですありがとうございます！次回も何か書けたらいいなぁ(遠い目 (2020年7月26日 18時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)
天夢香(プロフ) - お疲れ様でした。3話読んだ瞬間どハマりしてしまいました。とても面白かったです！次回の作品も楽しみにしています…♪ (2020年7月26日 17時) (レス) id: 6c52710f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Daaa | 作成日時：2020年7月5日 9時
