いわゆる箱入り娘のような。

kwmr ページ5

レースの服 kwmrさん


河「女性は何故そのような服を着るのでしょうか。」


デスクで記事を書く私の横にわざわざ椅子を持ってきて座り、まじまじと私の肩を見ながら言う河村さん。
自らこんな服を着ておいてアレだけど、思わず肩を隠したくなる。


河「肌を露出したいからでしょうか？」

「！？！？ いやいや！私はそんなつもりじゃないですよ！？」

河「じゃあどうして肩を見せる服を着るんですか？」

「それは…今より少し大人っぽくなりたいなと思って……」

河「肩を見せると大人っぽくなるんですか？」


う………！
河村さんの言葉がごもっともすぎてグサリと刺さる。
そう言われると…ただの自己満足なんですけど… 。


「…こう、なんていうか、いつも着ないような服を着ると、それだけでいつもと違う自分になったみたいでドキドキしますし、服に似合う自分にならなきゃって自然と思うんです。」


そう言うと、ほぅ、と顎に手を添える河村さん。


河「なるほど、女性にとって服装というのはそういった意味もあるんですか。つまり、Aさんにとって少し勇気を出してみたのが、その肩の透けた服だったということですね。」


危うく露出目的と勘違いされるところだったけど、なんとなくニュアンスは伝わったようで安心した。


「もっとミニスカートとかオフショルっていう肩が大きく出た服とか、色々大胆な服もあるんですけど、私にはこれが精一杯でした…。」

河「いえ、Aさんらしくていいと思います。」

「私らしい…？」

河「肩が透けているだけで恥じらっているなんて、とてもウブで可愛らしいです。どうかそのままのあなたでいてください。」


そんな風に言われてしまうととても恥ずかしい。


河「それに……」


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