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(続)
「少しでもみんなに追いつきたいから、かな…。」
こ「みんな………」
「実際は、クイズとか記事の腕を磨くのが先なんだけどね。でもそういう技術的なところはコツコツ頑張るしかないからさ…。自分の気持ちでどうにかできるところがあれば、何かしてみようかなって。」
気安め程度だけどね、って笑うと、こうちゃんは少し悲しそうに下を向いた。
こ「その“みんな”に、俺はちゃんと含まれてますか…?」
「え?」
さっきまで不機嫌そうだったこうちゃんが、突然悲しそうな顔をするから戸惑ってしまう。
こ「俺からしたら、Aさんはずっと大人です。どう頑張っても、歳の差は埋められないです。」
「こうちゃ……」
こ「俺のこと置いて大人にならないでください。」
まっすぐな目で気持ちを伝えてくるこうちゃん。
その姿も、気持ちも、可愛くて仕方ないんだけど、きっとそんな言葉で茶化していいものではないから、私も真剣に言葉を返す。
「こうちゃんは私なんかよりもずっとしっかりしてるし、私も他のメンバーもみんな頼りにしてるよ。」
こ「ほんとですか?」
「ほんとだよ。一緒に頑張ろうね。」
こ「………ありがとうございます。」
こうちゃんの表情が柔らかくなったことに安心する。いつものこうちゃんだ。
こ「あの…色々言ったんですけど…その服、似合ってます。」
「え…ありがとう…!こうちゃんこういうの好き?」
こ「はぁ!?何言ってんすか!?///」
そう言ってまたそっぽを向かれてしまう。
Quizknockのメンバーと話す時は少なからず緊張してしまうんだけど、こうちゃんとはこんな風に話せるからやっぱり特別だなぁ。
でもこれ以上からかうとまた機嫌を損ねてしまうから、これくらいにしとこう。
そう思っていると、こうちゃんに軽く袖を引っ張られる。
「ん?なぁに?」
こ「ほんとに男できたわけじゃないんですか?」
「えっ?あ、できてない…!できてないよ…!」
こ「本当に?」
「本当に!!」
こ「ふーん。なら、いいです。」
そう言って頰を緩ませるこうちゃんが可愛くて仕方ない。こんなに言うとまた機嫌を損ねちゃいそうだから言わないけど。
「こうちゃんがこっち向いてくれてよかった〜!お菓子食べる??」
こ「だから子供扱いしないでください!」
「いらないの?」
こ「………食べます。」
*
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たー - 山本さんのも欲しいです (2020年11月24日 22時) (レス) id: b6a4d09d70 (このIDを非表示/違反報告)
my - 山本さんの分も欲しいです! (2020年2月1日 22時) (レス) id: b7913fb570 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 今日初めてみたんですが、めっちゃ書きかた好きです…!!雪宮さんのご事情もあると思うので、ゆっくり投稿してください! (2019年12月9日 22時) (レス) id: cbbd2e7772 (このIDを非表示/違反報告)
雪宮ほたる(プロフ) - 僕は今、ガムが食べたい。さん» 短編であげたほうがという事でしょうか…?参考にさせていただきます。頻繁な更新はできないかと思いますので、他の作者様の合間に覗いていただけたらなと思います; (2019年8月12日 10時) (レス) id: 7cd0214061 (このIDを非表示/違反報告)
雪宮ほたる(プロフ) - モモルデシンさん» お待たせしていて申し訳ありません。他の作者様のように頻繁な更新はできないかと思いますので、他の素晴らしい作者様の合間に箸休め程度で読んでいただけたらと思います;。 (2019年8月12日 10時) (レス) id: 7cd0214061 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪宮ほたる | 作成日時:2019年5月2日 22時