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大学に着いてからも、何となくAのことが心配だった。
僕が知る限りでは、Aが体調を崩すことなんて今まであまりなかったものだから、余計に気がかりだ。
時間が経つにつれ居ても立ってもいられなくなり、ちょうど昼頃、僕はAに電話をかけた。
『もしもし…？』
｢A…心配だったから電話したけど、全然大丈夫そうじゃないね｣
『う、うん…。しんどかったから、早退しちゃって』
｢そんなに悪化したのか…。っていうか、お父さんは？｣
『お仕事でまだ帰ってこれないって…でも、夕方には帰ってきてくれるみたい』
｢…そう。ちゃんと大人しく寝て、早く治しなよ｣
『ありがと…』
声だけでも分かるほど、Aは相当弱っているようだった。
｢…｣
しばらく考えたのち、僕は荷物をまとめて足早に大学をあとにした。
…いくらAがひとりで寝込んでいるとはいえ、自宅まで押しかけるのはさすがにやり過ぎだろうか。
そうは思いながらも、Aがひとり苦しんでいることを考えると、どうにも体が先に動いてしまったのだ。
近くの店へ入り、小さなボトル入りのスポーツ飲料を買って、Aの家へと急いだ。
坂を登ること10分。
少し息が上がるのを感じながら、僕はAの家の前で足を止めた。
呼び鈴を鳴らそうとして、ボタンに伸ばしかけた手をぴたりと止める。
勝手に押し掛けておいて、わざわざAに出迎えさせるなんてどうかしてる。
でもそうしないと家には入れないし…
改めて自分の無計画さに呆れる。
意を決して、僕は玄関の扉に手をかけた。
…これで、扉に鍵が掛かっていたら諦めて引き返そう。
もし扉が開いたら…
取っ手を握る手にぐっと力を込めてそれを引くと、軋むような音を立てながらゆっくりと扉が開いた。
内心ほっとしながらも、いくら親しい人間の家だとしても勝手に入って良いものなのかと今更になって気後れする。
幼い頃は何度も出入りしたことのある家だが、この年齢になって勝手に人の家に上がるというのはあまり年相応な行動だとは言えない。
…でも、ここまで来たならもう仕方ない。
もし怒られたらちゃんと謝ろう。
そう決心すると、僕は昔の記憶を辿りながらAの部屋へと向かった。
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みにょん - ドキドキしっぱなしで一気に読んでしまいました。すごく読みやすい文章で主さんの文章力に脱帽です。また気が向いたときにでも続きを書いていただけるとうれしいです(т_т) (4月9日 23時) (
レス) @page50 id: 0b8338cd33 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 最近見てみたら凄くハマって！！、続きを待っています! (12月28日 22時) (レス) id: 8c0883e968 (このIDを非表示/違反報告)
きを - 愛してます。一生更新待ってます。 (12月11日 8時) (レス) @page50 id: afeed903d8 (このIDを非表示/違反報告)
あぽろ(プロフ) - 最近ディズニーのハモカラみてベイマ再熱してこの作品という神作品に出会えました、、、なにとぞ、更新をいつまでも待っています、、、、 (9月27日 23時) (レス) @page50 id: ebcad6c5f5 (このIDを非表示/違反報告)
ame(プロフ) - 更新を…待っています…なにとぞ… (8月16日 13時) (レス) id: 7d07391b49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たーた | 作成日時：2015年2月9日 23時
