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記憶喪失 ページ4

何を言っているんだろう、私は。

突拍子もない質問でライを困らせてしまったに違いない。

慌てて何でもないよ、と言おうと口を開いたが、

その言葉は音になることなく空気に溶けて消えた。


何故かって?

あまりにも悲しそうな顔をするライが、私の瞳に映ったから。



inm「急にめちゃくちゃ寂しいこと言うじゃん」


『…ごめん。』


inm「いいけどさぁ…。何、るべのことでも考えてたの?」


『ん〜、まぁそんなとこ』



資料をデスクにおいて、そのまま近くのソファに身を投げたライは

こちらを見ることなく言葉を続ける。



inm「俺だったら友達に忘れられるのは悲しいし寂しいし、

初めは受け入れられないと思う。


まぁ、だからと言ってどうにかできるものじゃないんだろうけどさ。

だからロウとかイッテツとかリトはすごいと思う、

またるべと一から関係を築けるのはさ…。」



今名前が出たイッテツとリトもまた、先述したロウと星導の元同級生で

この事務所でヒーローをしている仲間だ。







星導に、忘れられてしまった人達だ。









『普通に考えてそうだよね。

私もライやみんなに忘れられたら悲しいし寂しい。』


inm「だろ〜?」



だから冗談でもそんなこと言わないでよね〜とふくれっ面のライに平謝りして

そういえば、と話題転換を試みる



『ライ任務終わりだよね?

他のみんなが帰ってくるまでまだ時間あるし、シャワー浴びてきたら?』


inm「あ〜確かに、そうしようかな」


『今日ウェンくんとマナくんは一緒に任務で、リトとテツくんはパトロール、

星導とカゲツが一緒に任務、ロウはオフだからあとで来るって』


inm「おっけ〜、その感じだとリトとイッテツが一番最初に事務所戻ってきそうだね」


『そうだね、ロウが昼前に起きて来ると思わない』


inm「絶対寝てるだろあいつ〜」




リトとテツくんが戻り次第、ライと私も含めた4人で買い出しに行こうと決め、

そのままシャワー室に向かうライの背中を見送った。



『なんか、らしくないこと聞いちゃったなぁ』



さっきのライとの会話をぼんやり思い出して、小さくため息をついた。






大切な人に忘れられたくないなんて、

そんなの誰だってそうだ、当たり前なのに。





『…もう考えるのやめよう。』









どんなに悲しんだって、寂しく思ったって、


星導の記憶が還ってくるわけじゃないんだ。

愉快な仲間たち・東のヒーロー→←もしも。



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さくら - 個人的な意見にはなりますが、苗字呼びの方がナカヨシ!!という感じがして好みです❗作者さまのやりやすいように今後も更新していただければ幸いです。 (2月25日 13時) (レス) @page9 id: 93744aa2ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2024年1月25日 21時

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