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夢だと思いたい ページ6

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目が覚めた時には真っ暗な狭苦しいところにいた。





横に手を伸ばすことは不可能で、縦もつま先を伸ばせば壁にぶつかるほど体にフィットした何かに私は寝かされていた。








誘拐か.....もしくは夢か。どちらにせよここから出たいのが本音。

先程から身動きの取れない体が同じ体勢でいることを拒んでいた。



目の前の壁を押してみてもビクともしない。



とても頑丈なのだろうが緊急事態となった今、不安と焦りが力の源となった。




ドンッと壁を思いっきり蹴りあげると前の壁と側面の壁に隙間ができ、手で押し上げることができた。









『......ここどこだし』



暗い中から出れば明るい光が差し込む、なんてファンタジーな脳をした私は目が眩むと思い身構えていたのに、外の景色は私の考えを否定した。



陽の光が差し込むことのない薄暗い部屋に沢山の棺が浮いていて、足元には自分が入っていたであろう蓋の空いた棺。







まだ死んだつもりは無かったのだが、いつ死んだのだろうか?








なんて言う現実逃避な疑問をさらっと流し、自分の状況を改めて考え直すことにした。




当たりを見回した限りでは人の気配は感じられなかったが、ただ1つ気になるものが左隣の下にあった。



私の入っていた棺と同じように隣に並ぶ空の棺。


誰かしらが入っていたことは確実だろう、中のシーツにまだ体温を感じられたから。





もしかしたら、浮いている棺にも人が入っていたりして中の人が何か知っているかもしれないと思ったが、棺の中が死人だったらどうしよう、と弱気になり動けないでいた。





棺が沢山浮く中で、違うものが1つ。存在感漂う装飾の素敵な鏡。



まるで魔法の鏡のようで、やはり夢を見ているだけなのかもしれないと希望を持てた。





夢ならどれだけおかしなことが起きても、起きた時には全て忘れていたり、徐々に記憶が薄れていくものだ。




だから何が起きても現実の体に何ら影響もない夢は私にとって冒険心をくすぐられる。


ある意味で遊園地のような場所だ。






試しに頬をつねると予想外、とても痛かった。


だがこれが現実だと誰が言ったであろうか。

夢の中の私が夢の中で頬をつねれば痛いのは当たり前。








なんとも言えない理屈で解答するのが私、




大山(おおやま) Aである。




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白凪(プロフ) - さやたんさん» イラストの方から飛んできてくださりありがとうございます!!結構な自己投影(美化)作品となっているため、面白みが感じられないかと思いましたがそう言ってもらえてとても嬉しいです!!亀更新ですが頑張ります!!(ちなみに推しはレオナなのです.....!) (2020年8月7日 7時) (レス) id: 03f781a71d (このIDを非表示/違反報告)
さやたん - 白凪様の絵を見てたら。こちらの小説があると知って飛んでまいりました。凄い面白いです!!!更新頑張ってくださいー推しって誰ですか? (2020年8月6日 23時) (レス) id: 3595494de5 (このIDを非表示/違反報告)
白凪(プロフ) - 「 」さん» ゆっくりだけど書いていきます!! (2020年8月4日 22時) (レス) id: 03f781a71d (このIDを非表示/違反報告)
「 」(プロフ) - つ、続きが……気になりすぎる…… (2020年8月4日 22時) (レス) id: e81c17c75a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白凪 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hsn145sfam1/  
作成日時:2020年8月4日 21時

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