ep38 ページ39
ソンファside
消灯して日付が変わる少し前、他の患者さんの処置が終わってナースステーションに戻るとAの姿はなかった。
そしてやっとヨサンと話をすることが出来た。
ソンファ ｢急にAがいたからびっくりしたでしょ？｣
ヨサン ｢一瞬誰だか分からなかったもん。いると思ってなかったからさ。｣
ソンファ ｢そうだよね、なんかどうしたらいいのか分からなくてさ。とりあえずAのことを優先したらこうなっちゃった。｣
ヨサン ｢ヒョンも知らないの？Aが不安になった理由。｣
ソンファ ｢うん。なんかAの中でも気持ちの整理が出来てないかなって思ってさ。｣
ヨサン ｢確かに、あの感じだったら聞くのはちょっと躊躇うよね。｣
ソンファ ｢薬のことかなーとは思ってるんだけどそれ以外のことも考えられるから、いろいろ考えすぎないようにしてる。｣
治療的には上手くいってる、と思っていてもAの中には引っかかっているものがきっとある。
それを吐き出してくれれば俺たちも一緒に考えられるけど、今はきっとそれすらも難しい。
ヨサン ｢明日いろいろ検査する予定だったけどそのまま進める？｣
ソンファ ｢CTとエコーは痛くないし最悪片方だけでもいいけど、採血はやっておきたいよね。｣
ヨサン ｢そうだね…採血は1番やりたいけど1番難関だよ。｣
何を優先してどうするのか。
どの患者さんでもどんな時でも考えている事なのに今は答えが出せない。
2人で色々話していると、サンが焦って声をかけてきた。
ソンファ ｢どうした？｣
サン ｢Aちゃんの様子を見に行ったら寒いって言ってて、熱計ったら37.1℃でした。｣
ソンファ ｢熱出ちゃったか…｣
ヨサン ｢まずいね…｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：@ | 作成日時：2023年10月5日 14時
