ep25 ページ26
ソンファside
ソンファ 「じゃあこれ食べてみよっか。」
A 「うん、」
ソンファ 「少しずつね…どう?美味しい?」
A 「……わかんない」
ソンファ 「久しぶりだもんね。」
A 「でも…多分、美味しい…」
ソンファ 「多分でも美味しいなら良かった。」
少しずつスプーンで掬って口に運んでいくA。
搬送されてきた時よりも明らかに状態が良くなっている。
この状態を維持しつつ上手く治療することが出来たらいいな、なんて思いながらAの食べる姿を見ていた。
ソンファ 「たくさん食べたね。」
A 「うん、」
ソンファ 「急に食べてお腹がびっくりするかもしれないから、なんか変だなーって思ったらすぐ教えてね。」
A 「コクン」
ソンファ 「じゃあ下げてくるね。」
4割程食べたところでAの手が止まった。
久しぶりの食事にしてはかなり食べられたし、少しづつ食事量が増えていけば問題ない。
下膳してこよう、そう思って立った時Aが小さな声で何か言った。
A 「……なさい、」
ソンファ 「なんか言った?」
A 「……隠してて…ごめん、なさい…」
ソンファ 「A…」
A 「わた、し……治る、かな?」
ソンファ 「…治すためには薬が必要不可欠なことはAも分かってるよね。だから、辛くなる時もあると思う。」
A 「っ、…」
ソンファ 「でも、Aは1人で頑張る訳じゃないよ。先生もホンジュン先生もヨサン先生もいるし看護師さん達もいる。でしょ?」
A 「…コクン」
ソンファ 「だから大丈夫。」
しっかりとAの目を見て少し大きな声で言った。
Aにこの気持ちが、思いが伝わるように。
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作者名:@ | 作成日時:2023年10月5日 14時