ep21 ページ22
Aside
ソンファ先生が診察のあと、さっきの採血の検査結果の話をしてくれた。
良くなってるところももう少し頑張らないといけないところもある。
そのために新しい薬で治療を続ける、ということだった。
新しい薬、という言葉に思わず嫌な記憶が思い出された。
ソンファ 「副作用が出ないかAの様子を見ながら量とか飲む回数とかを調整するから大丈夫だよ。」
A 「…違う、の、」
ソンファ 「…ゆっくりでいいよ。Aの思ってること教えて?」
ソンファ先生は私の話すことをゆっくりと受け止めてくれた。
A 「私……」
ソンファ 「うん。」
A 「…薬……飲めない……」
ソンファ 「…それは飲むのが怖い?それとも…別の不安とか怖さ?」
A 「…」
ソンファ 「ゆっくりでいいよ。先生ここにいるから。」
A 「……薬を、飲んだ…時……急に……苦しくグスッ、なって……だけど……グスッ、」
ソンファ 「うん。」
A 「……いえ、なくて、グスッ」
薬を飲んで苦しくなったのは入院する少し前。
あの日は、お母さんと一緒に夜ご飯を食べて夜勤に行くお母さんを見送ったあとのことだった。
2種類の錠剤とカプセル錠を1錠ずつ合わせて3錠。
これを食器を洗ってから飲むのがいつものルーティンだった。
が、飲んで1時間もしないうちに急に苦しくなって視界が暗くなった。
ソファーで少し横になっていたら苦しさも楽になっていったが、それ以来また同じことが起きるかも、そう思うと薬を飲むのが怖くなった。
そして先生に言わないと、そう思っていてもなかなか言い出せなかった。
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作者名:@ | 作成日時:2023年10月5日 14時