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Hokuto
風磨「ただいまー！」
北斗「ただいま帰りました」
優吾「あ、おかえりー！」
家に戻ると壊れた天井もガムテープで修復されていて、電気がついていないこと以外はすっかり元通りになっていました。
北斗「すぐにご飯の準備しますので！風磨さん急いで用意しましょう」
風磨「おう」
それから、手際よく調理をして、あと少しで完成する所で僕は食器を居間に持っていった。
北斗「もうすぐ出来ますよ」
優吾「待ってました！」
北斗「あれ？樹くんは？｣
大我「ああ、随分前に上がったきりだよ」
樹くんを呼ぶために階段を上がる。するとさらに上の方から物音がして、屋根の上へと続く梯子を登った。
北斗「あ、樹くんみっけ！です」
樹｢わ！｣
北斗「そろそろご飯、できますよ？」
樹「俺はパス」
そっぽ向いてそういった樹くんの寝ている方へ近付いた。
北斗「風磨さん、一生懸命作ってくださったんです。樹くんに喜んでもらいたいって」
樹「いつもいつも訳が分からん。結婚だのなんだの…。どっかおかしいんじゃないのか？うざってぇ…」
北斗「でも、風磨さん4ヶ月もの間ずっと樹くんの事心配してたんですよね。それってすごいことだと思います」
樹「あ…？」
北斗「離れていても、姿が見えなくても、ずっと自分のことを気にかけてくれる人がいるって幸せなんですよ？僕は、そんな風に人を想えることが出来る風磨さんが羨ましい。
それに、お母さんが言ってました。結婚は、女の子最大の夢だって」
樹「ふーん。そんなもんなのか？」
僕が樹くんの隣に座ったのを見て、樹くんも身体を起こして座り直しました。屋根から見える夜景の街並みを見下ろして、僕は樹くんに聞きました。
北斗「樹くんの夢は、やはり�眞呂�んに勝つことですか？山で修行するくらいなので…」
樹「ん？ああ、そう言えばこの間話したんだったな」
北斗「修行って、どんなことをするのですか？熊と戦ったり、滝にうたれたりしましたか？」
樹「しねぇよ…どんな修行想像してんだ…」
北斗「でも大変だったんじゃないですか？お一人で」
樹「一人じゃねぇよ。師匠と一緒だった」
北斗「お師匠様がいるんですね！お強かったですか？」
樹「強いに決まってるだろ！？師匠の手にかかればクソ大我だってボロボロだ！！」
目を途端にキラキラさせた樹くんは、バッと立ち上がって嬉しそうに話し始めました。
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作者名：真っ黒バード | 作成日時：2022年3月9日 19時
