フルーツバスケット (ページ17)

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#３守りたいって思ったのページ17

Hokuto

大我「すごいね…。よくあそこまで腐った台所をキレイにできたよ」

北斗「頑張りました！お夕飯ももうできますよ！！」

優吾「この家に炊飯器なんてあったのか…」

北斗「発掘したのです」

家で大掃除に勤しんだ僕は、見違えた家の中に目を丸くする髙地くんに笑顔で胸を張る。

家賃を払わない代わりに、家事全般をまかなうだけでいいなんて有り難すぎて頭が上がらない。

大我「おいしい…！」

北斗「ホントですか？味薄くないですか？」

大我「丁度いいよ。こんな食事久しぶり」

それを聞いてほっと胸を撫で下ろす。

ついこの間まで話したこともなかったのに、みんなの王子様の髙地くんと向きあって食事しているなんて、不思議です。

北斗「そういえば髙地くん、さっき出掛けてましたよね。お買い物ですか？」

大我「ああ、裏庭の秘密基地に」

北斗「秘密基地！？うわぁ！ドキドキする響きですね！！」

煙突や大砲が付いていたり、はたまた動き出したりするんでしょうか！？

大我「松村くんが考えてるのと違うと思うけど…。よかったら今度招待するよ」

北斗「ええ！？いいんですか！？嬉しいです！秘密基地！！」

大我「もちろん」

秘密基地の話をしたからか、穏やかな空気になりましたが、それを破るように縁側の障子がバシンっ！と開きました。

優吾「だから少し話を聞いてよ樹！」

樹「っるせぇ！！」

何故か庭を通じて縁側から入ってきた優吾さんと樹さんはそのまま僕たちの周りを言い争いをしながら歩き回る。

樹「頭きた！そーやって人を手の平の上で転がして楽しいかよ！！」

優吾「待ちなさい！楽しくないかと言えばかなり楽しいけど、でも樹の為なんだよ！」

優吾「全っ然説得力無ぇ！！」
　
北斗「あ、あの…おかえりなさい！夕食は…」

樹「いらねぇ！！」

そのまま樹さんは2階へ上がっていってしまいました。

優吾「樹！！北斗くんにあたるんじゃない！というかちゃんと玄関から入れ！靴も脱ぐ！！」

大我「優吾、ホントに説得力無いね」

と少し呆れ顔で髙地くんは言った。