その後�� ページ43
［ユカside］
祝言後、初めて屯所の食堂へ向かった
勿論仕事で、だ
幸いな事に、やはり今は鬼の出没は落ち着いているようで
まだ柱稽古を行なっている為
屯所にもあまり鬼殺隊はいない
何となく、祝言後で柱の方々と顔を合わせるのも照れ臭かったので
意気揚々と食堂へいったわけだが…
「よお！ユカ！冨岡とはどうだったよ？」
そんな気分も宇髄さんのこの一言で崩れ去るのだったー
「宇髄さん…、おはようございます
今日は柱稽古のはずでは…？」
「おー、そうだぜ
今頃嫁達がメシ食わせてるはずだ」
お前が今日来るって聞いたからよ、
とニカっと笑う宇髄さんを見ると
私も思わず笑みが溢れてしまう
「宇髄さん、本当に先日は…ありがとうございました」
「何だよ、かしこまっちまって
良い式だったぜ…で、その後は？」
「へっ？！」
「へっ、じゃなくて夜の方よ」
何でこの人はこんな楽しそうな顔で聞いてくるのだ…
不躾にも程がある
いいから早く注文して食べて行って欲しい
「え、えっと…そ、それは…秘密です！」
「おーおー、なるほどなぁ」
「なっ、何がですかっ」
「いや、余程良い夜だったんだろうな、と思ってよ」
私の顔が真っ赤なので、もう、“その通りです“と言ってるようなものだった
あ、穴があったら入りたい…
その時
「宇髄、何をしている」
こ、この声は…！
声のする方へ顔を向けると、義勇さんが不死川さんと食堂へ入ってくるところだった
義勇さんは私と宇髄さんの顔を交互に見ると、
あからさまに嫌な顔をしていた
「お、噂をすれば」
「人の嫁にちょっかいを出さないでくれないか」
「誤解だぜ冨岡、良い宴だったな〜って話してただけだ、な？」
最後の、“な？“は、私に向けられたものだ
もっと踏み込んだところまで聞いてきたじゃないか、と思ったが
とりあえず、コクンと首を縦に振る
「ところでお前らも稽古中だろ」
「コイツがメシは食堂で食うって譲らねェからよ…わざわざ来てやったンだァ」
義勇さんの後ろにいた不死川さんも、
明らかに不機嫌だった
羽織の、『殺』の字がより強調されているようだ
すると義勇さんが不死川さんを置いてスタスタとこちらへ向かってきて、
私の目の前まで来ると
私の目をじっと見て言った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 114人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：碧 | 作成日時：2021年5月4日 1時
