初夜�ア� ページ42
〈続〉
「義勇っ、さんは…、気持ちいっ、ですか？」
「ああ…もう、」
義勇はユカの腰を持つと一気に腰の動きを早くする
それに合わせて、ユカの声もより一層高くなってくる
ーもう、限界だな
「くっ…ユカ、愛してる」
「…ったしも、あいしてっ、ます…」
ユカはぎゅっと義勇の背中にしがみつく
今まで体験した事のない快楽の波が次第に押し寄せていた
「あんッ、あああっ、イっちゃ…！」
「ああ、っ俺も…」
ユカが絶頂に達すると同時に、
義勇は己の熱を吐き出したー
＊
「ユカ、身体は大丈夫か」
ぐったりと横になるユカの元へ
義勇が水を持って戻ってきた
ユカはゆっくりと上半身を起こすと、
右手でそっと下腹部に触れた
微かに鈍い痛みを感じるが
普段使わない処に力を入れた所為かもしれない、と思った
「大丈夫ですよ、義勇さん…私の身体の心配ばかりして下さいますね」
「当たり前だ、ユカは初めてだろう」
ユカの水を飲む手が止まる
「えっ、もしかして…義勇さん…
初めてじゃ、ない…？」
「いや、そんな訳ない」
「ああ、良かった…一瞬不安になりました」
義勇はユカを横にすると
自分も隣に寝転び、ユカの方を見た
「後にも先にも、お前しか知らない」
「…っ私も、です」
「今日からは一緒の布団だな」
「ふふっ、そうですね
義勇さん…狭くないですか？」
「お前を抱き締めて寝たい」
義勇はユカに一つ口付けると
そっと抱き締めた
ユカは、優しく腰を撫でる義勇に優しさを感じていた
「義勇さん、愛してます」
「ああ、俺もだ」
「私、こんなに幸せで良いのでしょうか」
ユカの目から、涙が一粒流れた
「ユカは泣き虫になったな」
「泣き虫は、嫌いですか」
「お前の嫌いな処なんてない」
「ふふ、嬉しい…です」
次第に瞼が重くなってくる
義勇は、ユカの身体に布団を掛け直すと
一つ、頬に口付けた
「ユカ、おやすみ」
「義勇さん…、おやすみなさい」
暫くすると、すぅ、とユカの寝息が聞こえてくる
あどけなさの残る寝顔を見つめながら
義勇は一言呟くと、自分も眠りについた
夜も更け、しんと静まり返った屋敷の庭は
変わらず月夜に照らされ
庭の木々は春の夜の暖かい風に揺られていた
『ユカ、俺と夫婦になってくれて、ありがとう』
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 114人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：碧 | 作成日時：2021年5月4日 1時
