鬱々（時々晴）�� ページ31
〈続き〉
「それから…自分の事を卑下するな
人間なら誰しも、迷い、悩み、進むべき道が分からなくなる時がある
それに、ユカの作る料理は人を幸せにする
それは誇るべき才能だろう
それとも、俺が美味いと言うだけでは物足りないのか」
ユカは首を横に振り、
ぎゅっと、俺の胸に顔を押し付けた
「義勇さん」
「ん」
「嬉しすぎて、どうしましょう」
「難しい悩みだな」
「義勇さん」
「どうした」
「大好きです」
「俺も常に同じ気持ちだ」
「…言葉にして欲しいです」
「ユカ、大好きだ」
「ふふふ、嬉しくて溶けちゃいそうです」
「それは困るな」
「義勇さん」
「何だ」
「ただ呼んだだけです」
「ユカ、」
「何ですか？」
「ただ呼んだだけだ」
「ふふっ、真似っこ」
「ユカ」
「ん、また呼んだだけ…」
「夫婦になるか」
「…………」
「ユカ」
「………」
「俺の妻になって欲しい」
「………っ」
「恋仲ではもう足りない」
「ぅ……っ…」
「ユカ、返事は」
「……っ…は、い…！」
＊
干すはずの洗濯物がシワシワになるまで、
私は義勇さんに抱き締められながら
涙を流したり、口付けをしたり、笑って
また泣いて…を繰り返した
途中、夢なんじゃ無いかと、ほっぺを
つねってみたら、義勇さんに怒られて
代わりに耳を甘噛みされた(何故…)
痛くは無かったけど、やっぱり夢ではないみたいだ
私の過去最大の悩みは
義勇さんのお陰で
どこかへ飛んでいってしまった
ただただ、私は、
“冨岡ユカ“になることが、まだ信じられないでいる
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 114人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：碧 | 作成日時：2021年5月4日 1時
