お萩柱の訪問�� ページ24
あまり義勇さん出番なしです
［不死川side］
理由は知らねェが、
冨岡が柱稽古に参加する事にしたらしい
柱のクセに、稽古はしないとか抜かしやがってたクソ野郎がァ
一体どういう風の吹き回しだァ？
とりあえず俺はヤツを倒す為に
冨岡の屋敷に来ている(目的違いますよ実弥さん)
「オイ、冨岡ァ！！
ったりめーだが、手加減無しだかンなァ」
「ああ、臨むところだ
準備はできている」
ジリッ
木刀を構えるピリピリしたこの空気
堪ンねェな……
「………」
「………」
「…オイ！来ねェのかよ！！」
「不死川から来るのだと思っていた」
無表情過ぎて分かんねェよ
…ッたく、ほんとにコイツといると調子が狂う…
「じゃ、遠慮なく行くぜェ！！」
ガキィィイイイン！！！！
「オラオラ冨岡ァァ！！
押されてンぞォ」
「……水の呼吸、壱ノ型…」
「チッ、早速かよォ
風の呼吸、壱ノ型、塵旋風・削ぎィィ！！！」
「水面斬」
ー両者激しく技を出し
凄まじい音を立てて水と風がぶつかり合う
その様子を、ユカは屋敷の中から見ていたー
・
・
「不死川…、この辺にしておこう」
「あァ、そうだな」
冨岡がそう言った後
俺は右手を見た
力任せに振っていた右手は少し痺れ
心の中で舌打ちをして木刀を離した
正直、冨岡とこんなにやり合ったのは初めてだが
俺の“風“にしっかり付いてきやがる
「…またやろうぜ」
「無論だ」
そのまま背を向けて帰ろうとすると、
屋敷からパタパタと女が走ってきた
「あっ、あの、不死川さん！
良ければ休んで行ってください」
あァ、定食屋の冨岡の嫁か
…いや、まだ嫁じゃねェのか
「そんなに疲れてねェ」
「不死川さんの為に、お萩作ったのですが…」
その言葉に俺はピクリと反応した
俺の、為に、お萩？
何でわざわざ俺の為に
「不死川さん、お萩お好きでしたよね！
あと、その右手も、処置させてください」
そう言えば、“みなづき“でよく食ってたなァ…
ってオイ、よくそれ覚えてンな
結構前の話だろォが
「…じゃ、貰うわ」
そう呟くと、嬉しそうに縁側へ歩いて行った
冨岡と話すこともねェから、お萩だけ貰って
帰ろうと思ってたが
既に俺用の茶とお萩が皿に乗って用意されていた
…断らねェ前提か
仕方なく縁側に座ると、手拭いを渡してくれた
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作者名：碧 | 作成日時：2021年5月4日 1時
