名探偵の弟は特一級異能力者らしい

名探偵の弟は怒ったらしい ページ22

『あ〜やっと終わったよ』

「一体何をしてたんですか」

私がそう聞くと助手席に乗ったAさんは少し首を傾けてから私に笑いかける

『人のものを取った雌猫から奪い返した』

「は！？」

『嘘嘘〜♪』

そう言って指を口元につけて目を細めて笑う

その表情を見るとあの探偵によく似ている

矢っ張り兄弟だから似てるんだろうな

『ところでみっちゃんカフェラテ美味しかった？』

「え！？なんで判るんですか？」

『ん？此処、唇のリップが薄いよ？』

そう言ってAさんは指を唇に当てる

これ態とだな

というか、なんかデジャブ？

『序でにあんちゃんに色々聞いたみたいだね……例えば……』

そう言ってAさんの姿が一瞬で変わる

黒髪じゃなくて長い銀髪に赤い目

『……俺の本性とか？』

「っ、なんで」

『分かり易すぎだ。俺を誰だと思ってる』

「……知りません」

『嘘つけ』

そう言ってAさんと目が合う

何時ものガラス玉のような目ではなく

曇り切った赤い色の目

なんとも言えない恐ろしさがあった

『これ以上調べてみろ……幾ら女でも許さない』

そう言って一瞬で姿を戻す

『……さ、帰ろっか♪』

そう言って笑ったAさんの笑みが作っているように見えたのは気のせいだろうか

どうやら私は結構面倒くさい人の見張りになったようです……

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