恋柱の継子は一途な恋をする ４ 【我妻善逸】

出産　２ ページ37

善逸：「まだかな・・・？ あれから、また一時間が経ったんですけどっ？！ Aちゃぁぁぁん」

炭治郎：「善逸、大丈夫だ！ 気持ちは分かるが、少し落ち着こう！」

伊之助：「・・・・・。」



戸の前でうろうろする俺に、冷静な炭治郎が宥める。

伊之助・・・。

お前、いつもと違うくない？

煩いあの伊之助が、今日は静かにただじっと座っている。



善逸：「Aちゃん・・・、頑張れ！」



部屋の中からは、Aちゃんの叫び声が聞こえる・・・。

痛いよね・・・、苦しいよね・・・。

命懸けの出産、母は偉大だ。



「おぎゃぁぁぁーーー！！！」



善逸：「っ・・・！」

炭治郎：「善逸・・・！」

伊之助：「おぉ・・・！」



きっ、聞こえた！

赤ちゃんの、産声が・・・！

部屋の戸が開き、しのぶさんが顔を出した。



しのぶ：「一人目、産まれましたよ！ とっても、元気です！ 引き続き、二人目を取りあげますので、善逸くんはそのまま無事を祈っていてください」

善逸：「はっ、はい！」

炭治郎：「善逸、良かったな！ でもまだ、安心してられないぞ！」

善逸：「頼む、頼む、頼むーーー！！！ 無事に、産まれて来てくれーーー！！！」



一人目が産まれて、あれから二時間・・・。



「おぎゃぁぁぁーーー！！！」



産まれた・・・、産まれたぞ！

二人目の、産声が聞こえたーーー！！！



善逸：「すげぇ、元気な声だ！ うっ・・・、うぅ・・・。よがっだーーー！！！」

炭治郎：「うんうん！ 良かったな、善逸！ 伊之助・・・、泣いてるのか？」

伊之助：「なっ、泣いてねーよ！ 見んじゃねぇ！」



炭治郎も伊之助も、一緒になって泣いてくれた・・・。

心の友ーーー！！！

早くAちゃんと、子供たちの顔が見たいぞ！

まだ入ったら、駄目なのっ？！

もう良くないっ？！

痺れを切らした俺は、戸を開けようと手を伸ばす。

すると・・・



ガラガラガラッ・・・



善逸：「ひぇっ・・・！」

アオイ：「入っても、良いですよ。ただし、お静かに」

善逸：「はっ、はい！」



アオイさんに促され、炭治郎と伊之助と一緒に部屋に入った・・・。

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