恋柱の継子は一途な恋をする ４ 【我妻善逸】

子供と見守る ページ35

しのぶ：「はい、問題ないですね！」

A：「はぁ、良かった〜」

しのぶ：「あと数日、と言ったところでしょうか・・・。いつ産まれても良いように、そろそろ蝶屋敷で過ごしましょう。」



私のために、わざわざ出産時の勉強をしてくださった、しのぶさん。

ここ蝶屋敷で、産ませていただくことに。



しのぶ：「明日にでも、荷物をまとめていらしてください。部屋は既に、確保してありますので」

A：「何から何まで、ありがとうございます！」

しのぶ：「頑張りましょうね〜」

A：「はい！」



しのぶさんにお礼を言って、診察室を出た。

庭ではきっと、善逸くんたちが鍛錬に励んでいるはずだ。

覗きに行こう。



炭治郎：「あと、百回！」

善逸：「百回っ？！ もう無理だってー！ 腕がちぎれるーーー！！！」

伊之助：「嘆いてんじゃねぇぞ、この弱味噌が！」

炭治郎：「頑張れ、善逸！ Aが見てるぞ！」

善逸：「えっ、Aちゃんっ？！ 本当だ、Aちゃぁぁぁん」

炭治郎：「あっ、逃げた！」



私を見つけるなり、善逸くんは抱きついてきた。

汗だくになるまで、頑張ってたのね！

鞄から持って来ていた手拭いで、善逸くんの汗を拭ってあげた。



A：「お疲れ様、善逸くん」

善逸：「うへへへっ。ありがとう、Aちゃ〜ん！ 俺もう、ヘトヘトだよ・・・。」

A：「あと百回、頑張ってね！」

善逸：「Aちゃんまで、そんなこと言うのっ？！ 無理ー、もう無理だよー！」

A：「だって、ほら・・・。炭治郎くんの顔が、怒ってるから」

善逸：「ひぃっ・・・！」

炭治郎：「ぜ・ん・い・つ？ 早く来ないと、更に増やすぞ？」

善逸：「イヤァァァーーー！！！ やります、すぐやりますから！ それだけは、やめてくれーーー！！！」



流石、炭治郎くん！

でも・・・

般若みたいに恐ろしい顔をする炭治郎くんは、私でも怖いわ・・・！

あっ、いつもの優しい顔に戻った・・・。



炭治郎：「A、体調はどうだ？」

A：「絶好調だよ！」

炭治郎：「そうか、それは良かった！」



善逸：「Aちゃ〜ん、見ててね〜」

伊之助：「さっさと、始めろよ」



A：「見てるよ〜！ 頑張ってね、善逸く〜ん」

炭治郎：「相変わらずの、二人だな〜」



あなた達の父さん、頑張ってるよ！

かっこいいね〜

私はお腹に手を添えながら、二人の子供に心の中でそう問いかけた。

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