恋柱の継子は一途な恋をする ４ 【我妻善逸】

決断　１ ページ31

あれから、善逸くんの傷が完治した。

それと同時に、私の体調も悪くなり・・・。



A：「うっ・・・、おえっ。はぁ・・・、気持ち悪い・・・。」

善逸：「Aちゃん・・・、辛いよね」



背中を擦ってくれる、善逸くん。

それだけで、安心して楽になれる・・・。



A：「もう、大丈夫。善逸くん、ありがとう」

善逸：「安定期に入ったら、少しは楽になれるんだよね？ 辛いAちゃんを見ると、俺まで辛くなるよーーー！！！」

A：「きっと、もうすぐよ！ つわりなんかに、負けてられない！ 私、頑張るからね！ 母さん、頑張っちゃう！」

善逸：「Aちゃん、かっこいいーーー！！！」



少しだけ、お腹が目立ってきた。

元気に成長している証拠ね。

早く我が子に、会いたいな〜



善逸：「ねぇ、Aちゃん」

A：「ん？」

善逸：「あのさ・・・、大事な話なんだ」



善逸くん、とても真剣な目をしてる。

何を言われるのかしら？



善逸：「Aちゃんは、このまま鬼殺隊でいたい？」

A：「えっ・・・？」

善逸：「もちろんAちゃんが望むなら、それでもいいんだ。反対はしない。でもね・・・。俺はAちゃんに、体を気遣ってほしいんだ。危険な目に遭わせたくない。Aちゃんも、産まれて来る子供も、無事でいてほしい。」

善逸︰「子供が産まれてからも、同じだよ。Aちゃんには子供と一緒に、安心できる幸せな生活を送ってほしいんだ。俺がその幸せを与えるから・・・。お願いだよ、Aちゃん。鬼殺隊を辞めて、家庭に入ってくれない？ 頼むよ・・・。」



善逸くんの思いが、心に深く入り込んでくる。

でも私は鬼殺隊で、蜜璃さんの継子で・・・

頭の中で、それらがグルグルと周る。

気持ちの整理が、まだ出来ないわ・・・。



A：「考える時間をちょうだい？」

善逸：「うん、もちろん」



抱きしめてくれる善逸くんに、私は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

ごめんね、善逸くん

すぐに答えを出すから・・・。



善逸：「よし、Aちゃん！ 甘味処に行こうか！」

A：「えっ、今から？」

善逸：「そう、今から！ 甘い物、食べたくない？」

A：「食べたい！」

善逸：「じゃあ、行こう」



優しく私の手を引いて歩く、善逸くん。

何に対しても優しい善逸くんを、いつでも傍で支えられる存在になりたいと思った。

少しだけ、気持ちの整理が出来たみたい・・・。

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