29 ページ29
※流血表現あり
ある日の休日。
朝から会食がありやっと落ち着き束の間のティータイム。
でもそれは一瞬にして奪われた。
ﾄﾞﾝ
｢お待ちください！｣
｢うるさい離して！｣
｢誰か止めて！｣
ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ
神｢騒がしいですね｣
『どうしたんやろ』
バンッ
『？！』
神｢？！！！｣
突然開いたドアから入ってきた人から私を守るようにして神山が1歩前に出る。
｢はぁはぁはぁ許さない｣
『·····れいかさん？』
勢いよく入ってきたのは大毅の婚約者の麗華さん。
その表情は怒りに満ち溢れていた。
『どうして』
｢全部あんたが悪いのよ！大毅さんをそそのかしてどうせ色目でも使ったんでしょ！｣
『あの言ってる意味が』
｢とぼけないで！急に婚約破棄して欲しいって言われて納得できるわけないでしょ！
この縁談は両家にとって利益をもたらすものだったの、
大毅さんだってお父様とお母様に家を追い出されたのよ！」
『えっ』
｢うちの子じゃないって親に突き放される気持ちがあんたに分かる？！」
『そんなっ』
「···············｣
『え？』
声が小さくて聞き取れなかったけど
その言葉を聞いた神山が
神｢お嬢様下がってください｣
そう言った瞬間、れいかさんが飛びかかってきた。
手にはキラリと光る銀色の物。
『きゃぁ』
神｢っ！｣
反射的に瞑った目をあけるとぽたぽたと滴る赤い水。
·····水··········じゃない
『かみやまっ！』
神｢大丈夫です、少し手が当たっただけですから｣
かすり傷程度ではない量の血が滴り落ちる。
それでも華麗に手に持っていたカッターナイフを叩き落とし
身動きが取れないよう彼女の腕を抑えた。
神｢誰か警察を｣
『呼ばなくていい。』
神｢でも！｣
じっとこちらを睨みつける彼女の前に正座をして向き合う。
『れいかさんの心を傷つけてしまい大変申し訳ございませんでした。今後、重岡さんとは関わらないのでどうかお許し頂けないでしょうか』
地面に頭をつけ謝罪をすると
｢次は絶対失敗しないから｣
そう言って神山の手を振り解き帰っていった。
神｢お嬢様｣
恐怖で固まっていた体が神山に抱きしめられたことで緩み、我慢していた涙が一気に溢れ出す
緊張から開放された涙は止まることを知らず子どものように声を上げて泣いた。
その間彼はずっと抱きしめ背中を摩り続けてくれていた。
｢私が絶対に守りますから｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 412人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のん(プロフ) - snow whiteさん» わぁー😭ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです🥹更新頑張ります (3月5日 12時) (
レス) id: 8e0d3b7125 (このIDを非表示/違反報告)
snow white(プロフ) - すごく素敵な引き込まれるお話ですね！！更新楽しみにしております！！🫶🥹 (3月1日 10時) (レス) @page41 id: 23fa265d2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のん | 作成日時：2023年7月12日 15時
