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-Cate side-
CT「・・・オンニはすごいですね。」
キキが部屋から出ていって、いきなりそんなことを言えばオンニは驚いた顔をしていた。
CT「私、キキとあんなに笑顔で話したことないです。」
オンニよりも長い間一緒にいたのに。
CT「私たちのデビューが延期になった話って聞きましたか?」
『うん。さっきソユン先生から。』
CT「4人の中では私が一番練習生期間が長くて、オンニだし、
もっとみんなのことを支えてあげないといけなかったと思うんです。
でも何もできなくて。」
元々デビューが延期になる前も必要以上に話すことは無かった。
仲が悪いわけでもなく、ただただ関わっていなかった。
今考えるとあの状態でデビューしようとしていたなんて怖い話だ。
メンバーが減り、デビューが延期になって、
4人だけになった時にもっと声をかけてあげるべきだった。
そうしないといけなかった。でも私にはできなかった。
4人になってからの練習中、宿舎にいる間も、自分から話しかけるなんてことはほとんどせず、
たまに話してもぎこちない会話をするだけだった。
お互いまだ頭の整理がついてないから、国籍が違うからって言い訳をしていた。
でも、今日の休憩中にオンニと話していた時のキキは見たことないほど明るい笑顔をしていて、
自分が逃げていたことに気づいた。
CT「私があの時もっと何かできていたら、今はもっと明るかったのかなって。
私がもっと優しかったらキキも、イェウンもリタももっと笑えてたかなって。」
一度話し出したら止まらなくて、
まださほど仲良くもないオンニに心のどこかに溜めていた感情を一気に吐き出してしまった。
やらかした・・・と思って、思わず下を向いた。
『そう思えてるなら、ケイトは優しいんじゃないかな。』
予想外の言葉が返ってきてオンニの方を見れば、オンニはとても柔らかな笑顔を浮かべていた。
『オンニだとか一番練習生期間が長いとか、そんなことに関係なく、
ケイトだって大変な環境に身を置いてたんだよ。今だって自分にいっぱいいっぱいで当然だよ。
それでも他の子達にそう思えるケイトは優しいよ。』
『もしできなかったことを後悔しているなら、その分これからたくさん支えてあげてほしい。
今までよりもこれからの方が長いんだから、これからそうしてあげればいいんだよ。』
オンニの言葉に心が軽くなった。
キキのあの笑顔の理由がわかった気がする。
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yn(プロフ) - TASTYさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです^^更新が滞ることもありますが、これからも楽しみにしていただければ幸いです。 (2022年11月11日 22時) (レス) id: 086f92799f (このIDを非表示/違反報告)
TASTY - むちゃくちゃ楽しみです!続きも頑張ってください!! (2022年11月10日 11時) (レス) @page47 id: b6bb0cb3e6 (このIDを非表示/違反報告)
yn(プロフ) - 揚羽さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて光栄です!これからもご期待に応えられるように精進いたします。 (2022年10月8日 23時) (レス) id: 086f92799f (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - めちゃめちゃ好みの作品です。これからも頑張ってください! (2022年10月8日 22時) (レス) @page21 id: f89d446e74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yn | 作成日時:2022年9月25日 1時