別世界。 ページ41
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MG「またいつでも呼んでくださいね?」
WZ「さんきゅ、またな」
MG「!!先輩がまたなって!!言った!!」
WZ「…あーもう、じゃあな!」
バタン!と勢いよく閉めたドアの向こう側から
「またすぐ行きますね♡」と得意の甘い声が聞こえてくる。
WZ「…ったく、」
大型犬の居なくなった部屋は物静かに……
………は、ならなかった。
HS「ひゃっほーーー!!」
JN「ん〜〜!今日は何して遊ぶ!?」
WN「ゆっくり本でも読みたいなぁ」
最近は注意する気力すら無くなった。
と言うより、慣れたって言った方が正しいかもしれない。
まさかこの俺が「うるさい」に慣れてしまうなんて思いもよらなかったなぁ、とか思ってみたり。
WZ「今日は少し帰りが遅くなる」
HS「わかった!!」
お利口な随分でっかいお返事をくれたスニョンだけど
何となく寂しそうな心が揺れる瞳に漏れている。
だからと言って今日仕事を休むわけにもいかないし。
でも、いつもコイツらに寂しい思いをさせてしまっていることに罪悪感がないと言ったら嘘になる。
WN「大丈夫だよ。いつも俺らのためにありがとう」
WZ「……お前、ほんとすげぇやつだな」
WN「ふふ、そうかな」
何でもない俺のためにそうやって言葉をくれるところ、どこかアイツに似てる気がする。
今思えばスニョンの明るくて元気なところとか本当は寂しいくせに嘘つくところとか
ジュンの天然でいつも周りを和ませるところとか誰にでも無意識に優しいところとか
どれもこれも、アイツの分身みたいだ。
WZ「じゃあ、行ってくる」
JN「行ってらっしゃい〜気をつけてね!」
ゆるく手を振る姿、アイツの姿と重なって
あまりにそっくりに思えて
そんなデジャブに胸が熱くなった。
いつも通りの朝のはずが
どこか暖かくて優しい空気が鼻を通り抜けて
まるで別の世界に来たみたいで。
不思議な感覚にふわふわしながら、俺は車を走らせた。
本当に、全くの別世界に
誰か俺を連れて行って欲しい。
そんなことを考えていたらあっという間に会社について、ほぼ同時に来た先輩に頭を下げながら車を降りた。
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作者名:しょーやま。 | 作成日時:2021年9月17日 23時