居ない。 ページ34
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JN「あわわ!!どっか行っちゃった!!」
HS「あー!もう〜なんで手放しちゃったの!」
JN「ごめん、気づいたら居なくなってて…」
いつの間にかジュンの手の中は暗くなっていた。
気づいたら居なくなってた、か…。
WZ「ほら、もう帰るぞ」
JN「あ、ちょっと待ってジフン!」
WZ「ん?」
JN「ジフンの、行きたかった場所は?」
HS「そうだよ!俺たちの行きたかった場所はもう連れてってもらったから!今度はジフンのばんだよ!」
ジュンは優しい。
いつも、ちゃんと俺のことまで考えている。
でも、その優しさも今は必要ないかもしれない。
聞かないで欲しいことも、あるかもしれない。
WZ「俺の行きたかった場所はここだから」
JN「なんだ〜ジフンも虫捕まえしたかったの?早く言ってよ〜。網 貸したのに!」
HS「ジュン…なんか違うみたいだよ?」
JN「…え?」
黙り込む俺に3人は心配そうな顔を向けた。
WN「ジフンってさ、本当にここに来たかったの?」
ウォヌの言葉にはいつもハッとさせられる。
WZ「………いや、俺はもっと………」
もっと、遠いところに行きたいんだ。
光の向こう側へ。
もう届かない場所へ。
あの日、行こうとした日
コイツらが引き止めた場所。
JN「ええぇ!?」
HS「どうしたのジュン!」
JN「見てみて!!!空に、さっきの虫さんがいっぱいいる!!」
くす、と笑うウォヌの息遣い。
WN「ジュン、あれは蛍じゃなくて____________」
その存在、俺はまだ知りたくない。
見たくないんだ。
認めたくないから。
WZ「ほら、もう帰るぞ」
想像以上に低い声が出てしまい
3人の異様な空気が漂った。
結局この日もまた、俺は見上げることができなかった。
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作者名:しょーやま。 | 作成日時:2021年9月17日 23時