それで。 ページ26
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WN「いや、そんなことないよ」
キツネからスニョンに目線を変えて言うウォヌからはいつの間にか笑顔が消えている。
ウォヌの真剣な眼差しは、こう言った。
WN「こうやって俺たちみたいに遊びに来てくれる人がたくさんいて、毎日エサをくれる飼育員さんがいて、野生だったらやらなきゃいけなかった争いもここに居ればしなくて済むって。
この子たちは幸せそうにしてるよ？」
再びニッコリと笑ったウォヌにスニョンも笑顔になった。
それを見てジュンも一緒になって笑っていた。
俺も、気がつけば口角が上がってた。
キツネたちも、心なしか笑っているようにも見えた。
HS「そうだよね！！人間がおなかいっぱい食べさせてくれるしね！！」
スニョンの言葉に「僕たちとジフンみたいだね〜」と俺を見たジュンに
俺はコイツらを幸せに出来ているだろうか、と変に考えてしまった。
でも、
ウォヌやスニョンの言う通り、幸せの形はそれぞれであるし
その人・動物が幸せだと言うならばそれでいいのだろう。
JN「はぁ〜。僕お腹すいてきたぁ…」
ジュンのお腹の音で3人がドッと盛大に笑った。
さぁ、ランチは何を食べようか？
.
WZ「好きなだけ食え」
HS「よっしゃあ〜！食うぞ〜！」
JN「僕はこのクルクルが食べたいな〜」
WN「ジュン、これはクルクルじゃなくて春巻きって言うんだよ」
俺らは動物園を出てすぐ近くにあったレストランへと向かった。
中華料理店で店内は美味しそうな匂いが充満している。
いつもの如く目が無くなるほどニコニコのスニョンと
メニューを見ながら春巻きを指さしたジュンと
得意げに春巻きの名前を教えるウォヌ。
………俺はどうしようかな。
天津飯とチャーハンどっちも食べたい。
でもラーメンも食べたいしチンジャオロースも食べたい。
待った、中華料理店に来てエビチリを食べないでどうする。
あぁもう、「食べたい」が渋滞してる。
………よし、こうなったら全部食べるか。
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作者名：しょーやま。 | 作成日時：2021年9月17日 23時
