雪降る季節 fifth.《 sn 短編 》

待ってるね。dt × ru ページ12

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一般人設定。


いつかは自分のお店を持つことが夢で、調理専門学校に通ってホテルのレストランのシェフとして採用された時は死ぬほど嬉しかった。のに、実際の仕事といえばまだまだ新人だから皿洗いや掃除ばかり。だけど、いつかはメインを任されるような人になりたいと、日々努力を重ねている。

職場で作らない分、家では腕を上げるために毎日自炊をする。どんなに忙しくたって、簡単なものでもいいから作らないと気が済まない。

そんな俺の料理を、楽しみにしてくれている人がいる。


『お！今日はチャーハンだぁ！』

「簡単なのでごめんね？」

『何言ってんの？涼兄のご飯はなんでも美味いから！』

「......ありがとう、いっぱい食べな」



そう言うとニコニコしながらチャーハンを豪快に書き込むのは弟のラウール。まだ高校生だけど、俺よりもしっかりしている。実は、ラウールとは血が繋がっていない連れ子同士の兄弟だったけど、今は時々ひとり暮らししている俺のアパートに時々遊びに来る。



『あー、早く毎日涼兄のご飯食べられるようになりたいなぁ』

「高校卒業できたらね？」

『......そしたら、俺の事もらってくれるんだもんね？』

「......っ！ちょ、ラウール！」

『キャハハ！涼兄焦りすぎぃ笑』



おかわりをよそおうと立ち上がった俺に、可愛らしく上目遣いでそんなこと言うラウール。

俺たちは、お互い一目惚れ同士。だけど、まだラウールは未成年。せめて高校卒業してから、と言い続けて卒業まであと1年となった。俺よりも背が伸びて大人びたラウールだけど、中身はまだまだあどけない子どもで、可愛らしい面の方が多い。


「もう......そんなことばっかり言ってたら、卒業式の日、覚悟しておいた方がいいよ？」

『わっ......?!』

「俺だって男だってこと、忘れてないよね？」



お皿をテーブルに置いて、無防備なラウールを床に押し倒す。唇を指でなぞって微笑むと、ウブな君は真っ赤になる。そうやって初々しいから、大事にしたくなるんだよ？





「......俺しか考えられないようにしてあげるから」




(End.)

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