皇輝くんはキューピット！《 少年忍者 》

エピローグ ページ46

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全速力で走って、向かった先は学校。

誰もいないことを確認して、門を乗り越えて人目につかなさそうな校舎裏へと入った。そこには、俺の行動をまるで先読みしていたかのように、薮先生が居た。


薮『やっほー皇輝、来ると思ってた』

皇「先生！あの、聞きたいことがあって...」

薮『これのことじゃない？』

皇「あっ...！」



薮先生が持っていた1枚の紙を、俺に見せた。そこには"転生申請書"と書かれていた。

川崎星輝に聞かされた事実。それは、俺はまだ死んでいなかったということ。正確には、交通事故に遭ったらしくて、一命は取り留めたが、現在植物状態らしい。もう2年くらい目を覚まさないみたいで、俺がそっくりで名前も同じだから、と話してくれた。

だから、キューピットにはなりたかったけど、待っていてくれる人がいるのなら、きちんと戻るべきだと思ってしまったんだ。

果たして、そんなことが出来るのか。そもそも事実なのか。薮先生に聞きたかったのは、正しくそのことだった。



薮『いやぁ、まさかこんなことがあるなんてねぇ』

皇「俺も驚いたんですけど......」

薮『だよね！はは！最近最新化したせいか不具合ばっか起きてるんだよ。いやぁ...申し訳ない』

皇「あの、それよりこれ書いたら、俺は戻れるんですか？」



そう言うと、なぜか薮先生は口を噤む。どうしたのかと思うと、先生はちょっと複雑そうな顔をした。



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