皇輝くんはキューピット！《 少年忍者 》

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保健室に入ると、ベッドの周りは賑やかだった。

拓実くんが倒れたと聞いたらしく、中等部の弟の将聖くんとお友達の田村海琉くんの2人も来ていた。ニコニコとベットに座っている拓実くんは、俺たちに気がついて｢おう！｣と笑う。



拓｢オリ！皇輝先輩！｣

皇｢良かった......元気そうで｣

拓｢はい！無茶苦茶元気です！あれくらい、余裕っすよ！｣

織｢......っ、｣



無邪気に笑う拓実くんを見て、多分申し訳なさが募ってきたのであろう織山くんは、俺の後ろに隠れてしまった。

それに気がついた長瀬くんが、わざとらしく立ち上がる。



長｢んじゃあ、俺ら先教室戻りまぁーす！｣

平｢さ、将聖たちも行くよ〜｣

将｢うん。拓実くん、ゆっくりしてね｣

海｢お大事にしてください｣

拓｢うん！皆ありがとう｣



皆が出ていく中、俺も出ていこうとしたら織山くんに服の裾を掴んだ。不安そうな顔をした彼は心の中で｢ひとりにしないで｣と言っている。だけど、さっきの織山くんを見たら、俺がいた方が邪魔だと思う。



織｢皇輝くん...｣

皇｢織山くん、大丈夫だよ。頑張って...廊下で、待ってるから｣

織｢......うん｣




俺が保健室のドアを閉めると、中からはいつもと違った緊張したような織山くんの声が聞こえてきた。


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