ただ君を見つけただけ。《 hk × kt 》

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『えへへっ...すみません、結局すべてやってもらっちゃって......。』



「いや......掃除とか好きだし。」



『ひかるさん、すごくお上手でびっくりです！』







いや、俺は家政婦のアンドロイドなのに不器用すぎる君にびっくりだよ。

紅茶を入れようと、まずはティーカップとティーポットを洗ったらまさかの賞味期限が何年も前も切れていたものだった。

だから、俺は紅茶じゃなくて正確には白湯を飲んでいる状態。







.........まぁ、ないよりはマシかな。




もしかしてここの主人......けいとのいう、その慧さんって人、不器用さに呆れて出ていってしまったんじゃないかという考えがチラついたが、けいとの表情からはそんな雰囲気はなかった。





『なんだか、ひかるさんは慧さんに似てますね』



「.........そうなの？」



『はい！慧さんも、俺なんかより片付けがとってもお上手で。お料理とかも慧さんが教えてくれたんですよ？よく一緒に作ったり、一緒に掃除したり、一緒にお洗濯したり......毎日、楽しかったなぁ』



「慧さんは、どこに出かけて行ったの？」



『お仕事、って行ってました。だから俺は、ずっとずっと、ここで慧さんが帰ってこれるように待っているんです』






そう言って笑うけいとは本当に楽しそうで、

あぁこいつ。アンドロイドなのに恋を知ってるんだなって、そう思った。







けいとの方が、なんだか俺よりもずっと人間らしくて羨ましく思えてきた。



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