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#036 ページ36



「貴女みたいな貧乏人と踊ってくださる方なんているのかしら?」

「余程お心が広いか、それとも同類の方なんじゃありません?」

「......いい加減に」

『なんの騒ぎですか?』



高らかに笑う令嬢たちに対して私がそう発言すれば、バツの悪そうな顔をする。普通クラスにいる私だって、今年の1年の学校の『華』。自分でも、影響力のある人間だってことは分かっているつもりだ。



『楽しそうにお話しているので、どんなお話か私にも教えて頂けないかな、と思いまして』

「......た、大した話ではございませんわ」

『そう?......せっかくのパーティーですから、皆さんが楽しめるようにして頂けると助かります』

「は、はい......」



返事をしてその場から離れようとしたら、突然1人が悲鳴を上げた。何事かと思っていたら、足元になにかが動いた。よく見ればそれはカエルで、なにもそんなに驚くことじゃないじゃない...と思っていたら「誰かどうにかして!」と騒ぎ立てる。

別にそのままにしてあげればいいのに、なにかする訳でも......と、思っていたら、1人の男子生徒があろうことかそのカエルを蹴り飛ばそうとした。



一瞬、だった。

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作者名:時雨 | 作成日時:2022年11月19日 10時

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