華になる！《 Kairu.Tamura 》 (ページ34)

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パッと目を引く、華やかだけどどことなく清楚な印象のあるパールグリーンのドレス。

すぐに目に留まったこのドレスの決め手は、もちろん青木先輩の一言。

" 海琉ね、グリーンが好きなんだって "

似合うかどうかすごく悩んだけど、でも、好きな人の好きな色にこの日ばかりは染めさせて欲しくて。

比較的露出も少ないパコダスリーブのAラインドレス。踊っている時に揺れるチュールが愛らしくて、まるで御伽噺のお姫様にでもなったような気分にさせてくれる。

そして、隣には正しく『王子様』と呼べるほどに凛としてカッコよくシルバーのスーツを着こなす海琉くん。気を抜くと、ずっとずっと見ていたくなってしまうほど。

海琉くんの隣で、入口でダンスパーティーにやってきた生徒たちを出迎えていたら、なんだかものすごく視線を感じる。そんな私に、海琉くんはこっそり耳打ちをした。

「みんな、Aさんに見惚れていますね」

『そ、そんなことないです...！』

「そんなことありますよ。本当に似合います」

にこやかに微笑む海琉くんに、胸がどきどきする。

これから、彼と一緒に踊るんだ...そう思って、胸が踊っていた。

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