華になる！《 Kairu.Tamura 》 (ページ32)

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青木先輩に手を引かれてやってきたのは『華』専用の着替え部屋。もちろん、パウダールームなども備え付けなため、メイクも髪もここで1人でセットをしたのだが、青木先輩はそのまま私の手を引いたまま中に入る。

『先輩?!さすがに、ちょっと...』

「大丈夫大丈夫！Aちゃん以外いないし！」

『そうではなくて...』

青木先輩がなにをしようとしてるのか分からない私が戸惑っていると、先輩はふふっと楽しそうに笑いながら、鏡台の前に私を座らせ時計を確認する。

「時間はー......うん、30分あるから大丈夫」

『あの、青木先輩？』

「Aちゃんに、これから俺が魔法を掛けてあげるね」

『え？魔法...ですか？』

「そう。自信がつく魔法......だから、目を閉じてて？」

そう言われて、私はそっと目を閉じる。青木先輩は、楽しそうに鼻歌を歌いながら私にメイクとヘアセットを始めた。最初は『青木先輩にやってもらうなんてとんでもない！』と逃げ出そうとした私だったがら青木先輩からの「動かないでね」と可愛らしく言われてしまえば、それを拒むことなんか出来なかった。

青木先輩には、助けられてばかりだな...と、感謝で胸がいっぱいになる。

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