華になる！《 Kairu.Tamura 》 (ページ12)

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翌日からダンスレッスンが始まって、基本的な立ち方から教えてもらうんだけど、さすが2年と3年の『華』の2人は根っからのお嬢様で卒なくこなす中、私はと言うと......。

「Aさん！しっかり足先まで意識を保って！そんなんじゃダンスなんか踊れないわよ！」

『はい！すみません...！』

履きなれないピンヒールにぐらついてしまう。男女別でレッスンで良かった...こんな情けない姿、海琉くんに見せられない。そのままステップに入るも、見事に転んでしまいほかの2人からはくすくす笑われてしまう始末。

レッスンは最悪だ......肩を落としながら帰ろうとすると、聞こえてくる会話。

「これだから、やっぱり庶民の方は嗜みがなってないですわ」

「仕方ないですわ。私たちとは育ちが違うんですから」

......こういう時は、自分の性格が好きになる。

いくら悪く言われても、我慢強い雑草魂でパパっと帰り支度をしてにこやかに『御機嫌よう』と挨拶をして歩いていく。私がここに辿り着くまでどれほどの我慢と努力を重ねてきたと思っているんだ、と思いながら昇降口へ向かうと、聞こえてきた声に思わず隠れてしまった。

「海琉も尚大もダンス上手だったね！さすがだなぁ」

「いやいや、青木先輩も織山先輩も格が違いました...」

「俺は一応ダンスは全般習ってたんで」

学園の『顔』の3人が一緒に話しているなんて、ほかの生徒たちが目撃したらとんでもない光景だろう。

いけないとは思うけど、3人の会話に聞き耳を立ててしまう。

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