ロマンスが降り注ぐ。《 Koki.Kuroda 》 (ページ44)

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「んじゃ、時間とか俺調べて後で送るから楽しみにしてて」

『いろいろありがとう』

じゃあね、と手を振ろうとしたら、黒田くんはなぜかまだ歩き出そうとしない。

学校帰り寄り道して、家の前まで送ってくれて、それだけでも満足なのに。私の予想以上に黒田くんは私を満たそうとしてくれる。黒田くんは、リュックからそっと綺麗にラッピングされた細長い箱を取り出す。

「......本当は、カフェん時渡したかったんだけどタイミングなくて。これ、Aちゃんに」

『私に？いいの？』

「うん！この前檜山たちと出掛けた時に見つけてさ。めっちゃAちゃんに似合いそうだったから」

『開けてもいい？』

「もち！」

どこか少し気恥しそうに笑う黒田くんの前で、そっとラッピングを外す。中から出てきた紺色のケースの中には、キラキラ輝くシルバーのネックレスだった。シンプルなデザインできっと、制服の下に付けていても目立たないだろうな、と思った。すると、目の前の黒田くんは突然ネクタイを緩めてYシャツの襟元をクイッと広げた。

その色っぽさに、釘付けになる。

「......ちなみに、オソロだから」

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