ロマンスが降り注ぐ。《 Koki.Kuroda 》 (ページ37)

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#037 ページ37

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夢みたいな黒田くんの恋人、になって1週間になった。

今日は美術の授業で学校内の好きな場所を写生する、という内容だった。スケッチブックと筆箱を持って向かった場所は教室。自分の席に座って黙々と夢中になって描いていたら、突然声を掛けられて驚いた。

「うわ、めっちゃ上手だね」

『っ?!ひ、檜山くん...！』

「びっくりしすぎ笑」

楽しそうに笑った檜山くんはそのまま私の隣の席に座った。彼も教室を描きに来たのかと思って聞いてみたら「もう下書き終わったから」と言った。そして、彼はしばらく私の絵をジーッと見つめてから、ぽつりと呟く。

「なんで黒板とこだけ描いてんの？普通席とかじゃないの？」

『......えっと、黒板って授業でもHRでも使うし...1番、学校っぽいなって...』

「え。なにそれ、ウケる」

......ごめん。檜山くん。嘘ついた。

本当は、あの落とした生徒手帳を黒板に置こうとして、戻ってきた黒田くんと初めて話した場所を描いたなんて、恥ずかしくて言えない。

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